小川敏夫法相は13日夜の就任記者会見で、元オウム真理教幹部の平田信容疑者の逮捕に伴い、元教団代表の松本智津夫死刑囚らの刑執行の先送りが指摘されていることについて「死刑囚から証言を聞く必要が出てくる場合もあるので、一般論として考慮する必要はある」と述べ、平田容疑者の公判が終わるまで先送りもあり得るとの認識を示した。
一方、法相は、広島刑務所から受刑者が脱走した事件を受け、再発防止に全力を挙げる考えを強調。「簡単に逃走できないと安心しているとこういうことが起きると肝に銘じ、二度と起きない体制を構築したい」と語った。(2012/01/13-22:55)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2012011301068
小川法相、死刑「職責果たす」…オウムは考慮
野田改造内閣の陣容が決まった13日、初入閣した3人は初めての就任記者会見に臨み、新閣僚の一歩を踏み出した。
「大変つらい職務だが、職責を果たしていくのが責任だ」。法相に就任した小川敏夫氏(63)は首相官邸での会見で、死刑を適切に執行する考えを示した。法務省によると、確定死刑囚の数は12日現在、過去最多の130人。平岡秀夫前法相(58)は死刑執行に慎重な姿勢で、昨年は19年ぶりに執行が1件もなかった。
昨年12月、オウム真理教の一連の事件で起訴された189人全員の判決が確定し、松本智津夫死刑囚(56)らの執行の可能性も浮上したが、その後、目黒公証役場事務長・仮谷清志さん(当時68歳)の拉致事件で特別手配されていた平田信(まこと)容疑者(46)が逮捕された。小川氏は「平田容疑者の弁解によっては、(死刑囚から)証言を聞く場合もありうる。そういう面で(死刑が確定した13人の執行は)考慮する必要がある」とも語った。
小川氏は、裁判官や検事を務めた後、1981年に弁護士登録。98年の参院選で初当選し、2010年9月の菅改造内閣では法務副大臣を務めた。
(2012年1月14日08時55分 読売新聞)