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2012/01/16

日本政府が財政再建と成長戦略の道筋をつけなければ、中長期的な日本の国債市場も相当不安定化する可能性がある

長期金利 国債に資金流入で下落
1月16日 18時37分
大手格付け会社がユーロ圏の9か国の国債の格付けを一気に引き下げたことを受けて、週明けの債券市場では、リスクを避けようとする動きから日本国債に資金が流れ込み、長期金利は一時、1年2か月ぶりの水準まで下落しました。

長期金利は10年ものの国債の利回りが代表的な指標になっていますが、利回りは国債が買われると下がるという関係にあります。週明け16日の東京債券市場では、先週末の13日に大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」がユーロ圏の9か国の長期国債の格付けを一斉に引き下げる異例の措置に踏み切ったことを背景に、比較的安全だとされる日本国債に資金が流れ込み、買い注文が増えました。

このため、長期金利は、午前の取り引きで、一時、0.935%まで下落しました。この水準は、おととしの11月以来、1年2か月ぶりの水準です。

SMBC日興証券の末澤豪謙金融市場調査部長は「ヨーロッパの信用不安の先行きは、依然不透明なため、リスクを回避するため日本国債が買われやすい状況は当面は続くだろう。しかし、日本政府が、財政再建と成長戦略の道筋をきちんとつけなければ、中長期的には国債が売られ、長期金利が上がる可能性があり、注意が必要だ」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120116/k10015303431000.html