ページ

2012/01/08

刈谷さん拉致事件: 元教団幹部=「平田容疑者は事件前に拉致だと知っていた」「事前の謀議にも参加しており、その場面は複数の信者が見ていた」

「自ら拉致に参加」 元信徒ら、平田容疑者の供述否定
2012年1月8日3時3分
 1995年2月に起きた東京の目黒公証役場事務長拉致事件で、逮捕監禁致死容疑で逮捕されたオウム真理教元幹部の平田信(まこと)容疑者(46)について、複数の教団元信徒が警視庁の聴取に対し、「(平田容疑者は)当初の拉致計画から参加しており、自らの意思で実行行為に加わった」と話していることが7日、捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、警視庁は平田容疑者を逮捕した後、事務長の仮谷清志さん(当時68)拉致の計画・実行を主導した井上嘉浩死刑囚(42)ら複数の元信徒らに改めて聴取した。井上死刑囚らは、平田容疑者は教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)の指示に従い、レーザー銃を使って仮谷さんを拉致するという当初の計画段階から参加した、と供述。平田容疑者は自らレーザー銃の試し撃ちをしたが効果がなく、車で拉致する計画に変更されたため車を運転した、と話しているという。

 一方、平田容疑者は調べに対し「車を運転しただけで計画は知らなかった」と容疑を一部否認している。

http://www.asahi.com/national/update/0107/TKY201201070485.html




「平田容疑者、拉致と知り加担」元教団幹部説明
 オウム真理教による目黒公証役場事務長、仮谷清志さん(当時68歳)拉致事件で、すでに有罪判決が確定した元教団幹部らが警視庁の再度の事情聴取に対し、平田信(まこと)容疑者(46)(逮捕監禁致死容疑で逮捕)は拉致だと知りながら事件に加担したと説明していることが、捜査関係者への取材でわかった。

 「拉致とは知らなかった」とする平田容疑者の供述と食い違っており、同庁で詳しい状況を調べている。

 平田容疑者は逮捕後の同庁の調べに対し、「他の信者が仮谷さんを車に連れ込むのを見て、初めて拉致だと知った。(自分は)車を運転しただけだ」と供述し、容疑の一部を否認している。

 警視庁はこうした平田容疑者の供述を裏付けるため、今月4日以降、井上嘉浩死刑囚(42)ら、仮谷さん拉致事件で有罪判決を受けた複数の元教団幹部らから改めて事情を聞いた。一部の元教団幹部は「平田容疑者は事件前に拉致だと知っていた」「平田容疑者は事前の謀議にも参加しており、その場面は複数の信者が見ていた」などと話したという。

(2012年1月7日14時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120107-OYT1T00501.htm




仮谷さん拉致事件 井上死刑囚、平田容疑者の供述全面否定「計画知り犯行加担」
2012.1.6 11:25
 東京・目黒公証役場事務長監禁致死事件で、オウム真理教元幹部、平田信(まこと)容疑者(46)の共犯者、井上嘉浩死刑囚(42)らが警視庁の再度の事情聴取を受け、「平田容疑者は犯行計画を知った上で実行行為に加わった」という趣旨の説明をしていることが5日、捜査関係者への取材で分かった。犯意を否認する平田容疑者の供述と食い違った形だ。警視庁は元教祖、麻原彰晃死刑囚(56)=本名・松本智津夫=への再聴取の可否も検討、平田容疑者の役割について裏付けを進める。


矛盾点が続々と…


 監禁致死事件で有罪判決が確定している共犯は、麻原死刑囚ら8人で、警視庁は4、5の両日、井上死刑囚ら複数の共犯者を再聴取。事務長の仮谷清志さん=当時(68)=が拉致、監禁され死亡した事件について改めて説明を求めた。

 捜査関係者によると、井上死刑囚らは確定判決に沿って、平田容疑者が拉致の計画段階から関与したという内容の説明をした。平田容疑者は「当初は、拉致計画を知らなかった」などと犯意を否認しているが、共犯者は全面的に否定した。

 裁判記録によると、麻原死刑囚が山梨県上九一色村(当時)の教団施設で、井上死刑囚らに仮谷さん拉致を指示し、実行犯グループが平成7年2月に東京都品川区の路上で実行。平田容疑者は見張りや後続車の運転を担当、仮谷さんを拉致した車に付着した指紋や血痕を拭き取るなどの処置をしたとされる。


平田容疑者は「仮谷さんが車に連れ込まれるのを見て初めて拉致と分かった」などと供述しているというが、確定判決では事件前、井上死刑囚らから拉致計画の概要説明を受け、実行の具体的な手順や役割分担が話し合われていたことが認定されている。

 井上死刑囚の指示で事件を実行する前に目くらまし用に使う予定だったレーザー銃を試し撃ちしていたことも明らかになっているが、平田容疑者はこれについては認め、「効果がなかった」と供述している。


“首謀者”への聴取は…


 平田容疑者は監禁致死事件だけではなく、宗教学者の島田裕巳さん(58)の元自宅爆破事件についても、共犯者の過去の供述と異なる説明をしている。

 平田容疑者は「責任を取るために来た」と関与を認め、犯意については「爆発物とは知らず、指示通り運んだだけ」など否認しているという。警視庁は今後、爆破事件についても矛盾点を解明するため、井上死刑囚ら共犯者を再聴取する。

 一方、両事件は麻原死刑囚の指示の下、実行されていることから、警視庁は「首謀者」と認定された麻原死刑囚の再聴取の可否も検討している。

 ただ、麻原死刑囚が一連の公判で、意味不明な発言を繰り返すなどし、一度もまともに証言していないことから、「聴取が体をなさない恐れもある」(捜査関係者)ため、麻原死刑囚への聴取が不可欠か慎重に見極める。