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2011/12/07

英中銀 、「想定外の衝撃を発端とするリスクを軽減する」ために市中銀行がポンド流動性への十分なアクセスを確保するのに役立つだろう

英イングランド銀、緊急時ポンド供給の枠組み導入
2011/12/7 9:48
 【ロンドン=松崎雄典】英中央銀行であるイングランド銀行は6日、市場が混乱し通貨ポンドの流動性が急低下した場合などに市中銀行にポンドを供給する新たな枠組みを導入した。足元では短期資金の流動性不足は見られないが、欧州債務問題が深刻化し問題が生じる事態に備える。


 イングランド銀行が枠組みを発動するかどうかを決定する。市中銀行は事前に担保を差し入れておいたうえで、資金が必要になれば入札に参加する。融資期間は30日。






英中銀、新たな流動性ファシリティー導入し緊急時にポンド供給へ
2011年 12月 7日 00:17 JST
[ロンドン 6日 ロイター] イングランド銀行(英中央銀行)は6日、新たな流動性供給ファシリティーを導入すると発表した。世界的な金融市場に現在見られる「過剰なストレス」が英国の銀行間貸出市場に波及した場合、ポンドの流動性を銀行システムに供給する。
今回導入したのは「拡大担保タームレポファシリティー(ECTR)」。不測の事態を想定した流動性ファシリティーで、中銀が必要と判断した場合に銀行システムに追加でポンドの流動性を供給する。担保は英中銀の割引窓口ファシリティーに事前に差し入れる。

中銀は「ECTRは、ポンドの短期流動性が市場全体で不足した場合、また不足する事態が予想される場合、中銀の判断により運用が発表される」としている。

中銀は声明で「市場では現在、短期的なポンドの流動性不足は見られない。ただ、こうした状況に変化が出てきた場合、新たな流動性供給ファシリティーを通して、中銀は入札形式でポンドの流動性を供給することができる」とした。

そのうえで、新たな流動性供給ファシリティーの導入の背景には「金融市場が継続的に並外れたストレス」にさらされていることがあったとし、同ファシリティーの構造は市場関係者などを対象に行った調査の結果に基いているとした。

ECTRは入札形式で運用される。提供される資金の期限は30日。受け入れ担保の条件は、最長で期間1年の資金を供給する既存の割引窓口(ディスカウント・ウィンドウ・ファシリティー)と同等になる。

ECTRで提供される資金の規模は入札前日の1600GMTに提示される。入札は1030GMTに実施される。







英中銀:新たなポンド建て流動性供給措置を導入-異例事態への対応策
 12月6日(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)は6日、新たなポンドの流動性供給ファシリティーを導入した。欧州ソブリン債危機が悪化する中、金融市場の緊張に対応するための措置。

 英中銀は声明で、導入措置について「金融市場の異例なストレスが継続していることを鑑みた」とし、「このファシリティーは短期のポンドの流動性が市場全体で不足した場合、金融安定に対して起きるリスクの軽減を目的としている」と続けた。

 ソシエテ・ジェネラルの英国担当チーフエコノミスト、ブライアン・ヒリアード氏は電話インタビューで、「現時点での発動は想定されていない。英中銀が望まない異例の事態が生じた際の対策で、備えておくことがその意図だ」と語った。

 英中銀の「拡大担保タームレポ(ECTR)ファシリティー」は広範な担保に対して資金を提供し、「想定外の衝撃を発端とするリスクを軽減する」ために市中銀行がポンド流動性への十分なアクセスを確保するのに役立つだろうと説明した。

 さらに「市場における短期的なポンドの流動性は現時点では不足していない」と指摘した上で、「状況が変わった場合、新たなファシリティーが入札の形式で最も幅広い担保に対するポンドの流動性を提供することで銀行の柔軟性を高める」と論じた。


更新日時: 2011/12/06 23:08 JST