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2011/11/30

秋篠宮殿下が天皇の定年制に言及。 「ある年齢で区切るのか、どうするのか、というところも含めて議論しないといけないのではないか」

皇室:天皇公務に「定年必要」 秋篠宮さまが異例の言及
 秋篠宮さまは30日、46歳の誕生日を迎えた。これに先立ち、宮邸で紀子さまと共に記者会見し、来月で78歳になる天皇陛下の公務について「定年制というのは、やはり必要になってくると思います」と述べ、公務を一定の年齢で減らすことの議論が必要との考えを示した。皇族が「天皇の公務の定年制」に言及したのは極めて異例。

 負担軽減のため、公務を減らし、国会召集など憲法が定める「国事行為」に専念する案に関し、どう考えるか、という質問に対して答えた。

 秋篠宮さまは、必要性の背景について「ある一定の年齢を過ぎれば、だんだんいろんなことをすることが難しくなっていきます」と述べた上で、「人によって老いていくスピードは変わる。年齢で区切るのかも含めて議論しないといけない」と、制度を設けるには慎重さが必要との考えも示した。

 江戸時代以前の天皇には、譲位して上皇になる道があったが、現在の皇室制度を定めた皇室典範は「終身天皇」の考えに基づき、「天皇の公務」に関する細かな規定も無い。

 会見は陛下が入院中の22日に行われた。典範の規定では、女性皇族が結婚すると皇籍を離れるため「皇室の先細り」が懸念される。秋篠宮さまは「皇室を維持するには一定の数は当然必要」と語り、制度論は国会の論議に委ねるとの基本姿勢を示した上で、皇室の将来について「私もしくは皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあっても良い」と、09年の誕生日会見と同様の考えを語った。【真鍋光之】

毎日新聞 2011年11月30日 東京朝刊






秋篠宮殿下「天皇にも定年制必要」
2011年12月01日11時59分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
天皇の二男の秋篠宮殿下が30日、「(天皇の)定年制が必要になってくる」とし、現行の「終身天皇制度」の改正を促した。

秋篠宮殿下はこの日、自身の誕生日に合わせて行われた記者会見で、来月78歳を迎える天皇の公務が多すぎるという指摘と関連、「ある一定の年齢を過ぎれば、だんだんいろんなことをすることが難しくなっていく」としてこのように話した。毎日新聞など日本のメディアはこの日、「皇族が『天皇の公務の定年制』に言及したのは極めて異例」として秋篠宮殿下の発言を大きく報道した。ほとんどが「気管支肺炎で2週間入院するなど健康に問題がある父を心配する孝心から出た発言」という反応だ。だが、「上皇制復活など皇室体制の変化にもつながる発言」という分析もある。

日本では江戸時代以前は天皇が後継者に譲位して上皇になる道があったが、現在の皇室は「終身天皇」を採択している。したがって天皇が老いたり病気で公務を遂行することができない場合に備えた具体的規定がない実情だ。

秋篠宮殿下は、「人によって老いていくスピードは変わる。年齢で区切るのかも含めて議論しないといけない」と付け加えた。

一方、女性皇族が一般人と結婚すると皇族の身分を喪失する規定により皇族数が大きく減っている状況と関連し、「皇族数が減るのは国費負担という意味において悪くはないが、皇室維持のために一定の数は必要だ。私もしくは皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあって良いと思う」と話した。
 http://japanese.joins.com/article/068/146068.html?servcode=A00§code=A00





秋篠宮さまの発言に官房長官「コメント控える」
 藤村官房長官は30日午前の記者会見で、秋篠宮さまが一定数の皇族確保や、天皇陛下の定年制の必要性に言及されたことについて、「制度論は国会の議論に委ねることを前提として、考えをお述べになったと理解している。個々の発言の内容に政府としてコメントするのは差し控えたい」と述べた。


(2011年11月30日13時07分 読売新聞)













――問3 眞子さまが成人を迎えられたのを機会に、あらためて殿下に皇統の継承についてお伺いします。現行の皇室典範の下では、眞子さま、佳子さまもご結婚後、皇籍から離れることになり、将来的には宮家の数が減って皇統の安定的な継承が難しくなると共に、皇室のご活動の幅が狭まる恐れがあります。殿下は一昨年の記者会見で「国費負担という点から見ますと、皇族の数が少ないというのは、私は決して悪いことではないというふうに思います」と述べられました。皇族の方々の東日本大震災の被災地でのご活動が続いてきた中で、現在のお考えをお聞かせください。殿下はこの1年間で、皇太子さまと皇室の将来のあり方についてどのようなお話を交わされたでしょうか。

ご回答
 殿下 恐らく皇室が今後どういうふうに存在するのか、その在り方と関係すると思います。私は以前に皇族の数が少ないことは国費負担という意味において悪くはない、ということを申しましたが、この考えは今でも変わっておりません。一方、現在の皇室というものをそのまま維持していくためには、やはり一つの集団というか、ある一定の数というのは当然必要になってくるわけです。国費負担の面、一方で、今ご質問にもありました、活動の幅、継承、そういうことを合わせて、それにふさわしい数というのは多分あると思いますけれども、それは私には分かりません。

 いわゆる皇室の制度については、皇室典範があります。制度論については、これは国会の論議に委ねることになるわけで、私が何か言うということではありませんけれども、その過程において、今後の皇室の在り方を考えるときには、何らか、私若(も)しくは皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあって良いと思っております。

 皇太子殿下との皇室の将来の在り方について(のお話)ですけれども、今年は少し私が怠けていたところもあるかと思います。去年ほどそれについての話はしておりませんが、話し合いをしたことはあります。ただ、その内容については、ここでは控えたいと思います。



――問4 殿下に伺います。天皇陛下は2月、心臓の冠動脈に硬化や狭窄(きょうさく)が見つかり、11月には気管支炎の症状で入院されました。皇后陛下は7月以降、頚椎(けいつい)症性神経根症や下腿(かたい)筋膜炎による痛みや腫れの症状が出ていらっしゃいます。陛下のご公務のあり方について、殿下は昨年の記者会見でも、負担軽減は常に考えていかなければいけないというお考えを述べておられます。しかし、特にこの1年は、震災に伴う行事の変更や被災地へのお見舞い、節電など、両陛下にとって例年にない形でのご公務が多くなりました。両陛下のご健康やご公務のあり方について、どのような考えをお持ちでしょうか。

ご回答
 殿下 天皇陛下の公務、それから両陛下の公的なお務めとご健康のことというのは、非常に関係してくることだと私は思います。いわゆる公務と言われる国事行為は、数を減らすとかそういうことはできないわけですね、臨時代行とかでない限り。それ以外の公的なお務めについては、何年か前にそのようなことから、負担軽減が図られております。例えば、行事の内容を少し短くするとか、行事の間にちょっと休憩、ポーズを入れるとかですね。それから非常に大きかったのは、お言葉を無くす行事が大分多くなりました。ご承知かと思いますけれども、陛下は一つ一つの行事におけるお言葉というのを非常に大切にしておられますので、それに使われている時間、労力というのは大変なものがあります。そのようなことから、ご自身も言われていますけれども、かなり軽減は図られてきたものと思います。

 ただ、本年のことを言えば、東日本大震災が起こり、その後の各地へのお見舞いがあったり、大震災の被害等に伴う進講があったりなど、お務めの量が非常に多かった、ある意味特別に多かった年だと言えます。この1月から11月までの間で見ましても、ここ数年の中では断トツに今年が多いというのは事実です。

 やはり両陛下とも喜寿を過ぎておられます。そのようなことからも、今までにかなりの公的行事の見直しということはなされてはおりますし、年をとっても、ある程度の忙しさがあることが健康を維持する上では大事なこともありますけれども、宮内庁には、これからの行事の在り方を今の状態でずっといいのだという認識ではなくて、常に医師とも連携を取りながら柔軟に対応していくことが私は必要だと思っております。




関連質問 先ほど、陛下のご公務についてのやり取りがありましたけれども、先ほど殿下は陛下のご公務について、宮内庁は医師と連携を取りながらですね、更に柔軟に考えていくべきだというようなことをおっしゃいました。宮内庁も、これまでいろいろ陛下のご公務の負担軽減に対しては、かなり苦心をされて、いろいろ工夫をしてきたと思うんですが、なかなか一挙に減らすというのは難しいという状況もあると思います。そういう中でですね、天皇陛下の公務に対して、定年制を設けたらどうかというような意見もありまして、例えばある程度の年齢になればご公務というのを減らして、国事行為に専念していただくという、そういう制度をもう考えていくべきではないかという意見もありまして、私もなるほどと思ったんですけども、殿下はこの制度から見直すという、そういうお考え方というのはどうでしょうか。

ご回答
 殿下 私は、今おっしゃった定年制というのは、やはり必要になってくると思います。というか、ある一定の年齢を過ぎれば、人間はだんだんいろんなことをすることが難しくなっていきますので、それは一つの考えだと思いますけれども、じゃ、どの年齢でそういうふうにするか。やはりある年齢以降になると、人によって老いていくスピードは変わるわけですね。だから、それをある年齢で区切るのか、どうするのか、そういうところも含めて議論しないといけないのではないかと思います。

(2011年11月30日 読売新聞)