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2011/11/29

同院が所蔵していた元三大師坐像や後陽成天皇の法要を記録した文書類など約200点が不明

天皇家ゆかりの寺、重文仏像など多数流出か
 木造不動明王坐像=文化庁提供 天皇家ゆかりの天台宗・般舟院(はんしゅういん)(京都市上京区)が所蔵する重要文化財の仏像2体が今年9月中旬、所在が分からなくなり、京都府警が約2週間後、京都市内の民家を文化財保護法違反容疑で捜索、発見していたことがわかった。

 寺の土地と建物は、元住職(71)の借金のために競売にかけられ、8月に北海道函館市の不動産会社が約1億3000万円で落札。同院の資産台帳には、重文2体以外にも絵画など約200点があったが、これらの多くがなくなっており、府警は経緯などを調べる。

 天台宗関係者らによると、重文2体は、ともに平安時代の「木造阿弥陀(あみだ)如来坐(ざ)像」(高さ62センチ)と「木造不動明王坐像」(同81センチ)。見つかった民家は元住職の知人宅で、同法では、文化財の保管場所の変更には文化庁への届け出義務があるが、今回届けはなく、府警は、元住職らが流出にかかわったとみている。

 元住職は借金について、天台宗側に「1億円以上ある」と説明。この借金を巡って大阪府内の貸主が民事訴訟を起こし、元住職は昨年9月に敗訴。同院の土地(約1200平方メートル)と建物の競売が行われた。

(2011年11月29日14時20分 読売新聞)

















仏像など200点不明 般舟院の競売問題
 京都市上京区の天台宗寺院「般舟院(はんじゅういん)」が競売に掛けられた問題で、同院が所蔵していた元三大師坐像や後陽成天皇の法要を記録した文書類など約200点がなくなっていることが29日、分かった。重要文化財の阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像と不動明王坐像は一時所在不明となり、京都府警が文化財保護法違反容疑で捜索して見つかっていたことも新たに判明した。

 府警によると、重文の仏像2体については新しい住職らから相談を受けた府警が9月下旬に捜索し、右京区内の前住職の知人宅にあったという。府警は仏像が流出した経緯などを調べている。

 所在不明の約200点はいずれも文化財の指定はないという。木造の元三大師坐像は鎌倉時代の作とされる。宗派は「般舟院には元三大師堂があったくらいで、信仰があつかった」としている。

【 2011年11月29日 14時01分 】




重文仏像が一時流出 京都府警が捜索、発見 
2011.11.29 14:16
 皇室ゆかりの天台宗般(はん)舟(じゅう)院(京都市上京区)が所蔵する重要文化財の仏像2体が9月に一時流出し、京都府警の家宅捜索で発見されていたことが29日、関係者への取材で分かった。文化財保護法では重文の管理場所の変更には文化庁への申請が必要と規定しているが、今回届けはなく、府警は同法違反容疑を視野に元住職(71)から事情を聴いている。

 関係者によると、仏像2体はともに平安時代の作で「木造阿弥陀如来坐像」(高さ62センチ)と「木造不動明王坐像」(同81センチ)。目立った傷などはなく、現在は京都市内の別の天台宗寺院で保管されている。

 寺の土地と建物が6月に競売にかけられたため、京都府教委が仏像2体の所在をいったん確認。その後、元住職と連絡が取れなくなり、仏像2体の行方も分からなくなった。9月に天台宗側が京都府警上京署に相談。その後、京都市内の元住職の50代の知人から府教委に「仏像を預かっている」との申告があったため、同署が文化財保護法違反容疑で知人宅を捜索、仏像2体を発見した。

 元住職には1億円以上の借金があったといい、土地と建物はすでに北海道の不動産業者が落札している。府警は仏像と絵画の流出に関して元住職から事情を聴いている。

 般舟院は応仁の乱(1467~1477年)後、伏見に建立され、豊臣秀吉の伏見城築城により現在地に移転。明治維新まで歴代皇室の位牌を安置するなど皇室とのゆかりが深い。







天台宗の寺を無断売却、僧籍はく奪 重文仏像も一時流出
2011年11月29日
 天台宗(総本山・比叡山延暦寺、大津市)は、皇室ゆかりの寺・般舟院(はんしゅういん)(京都市上京区)の元住職(71)について、宗派の許可なく寺を売却したとして僧籍を剥奪(はくだつ)した。借金が返せず、土地・建物を差し押さえられたという。国の重要文化財の仏像2体も一時流出したが、京都府警の家宅捜索で見つかった。

 登記簿などによると、寺の土地約1250平方メートルと建物は昨年9月、大阪市内の不動産業者が差し押さえた。約1億3800万円で競売にかけられ、今年8月に北海道函館市の不動産業者が落札。業者は現在、寺を売りに出している。

 天台宗は8月末、宗派の承認を得ずに寺の土地・建物を担保に差し入れ、売却したとして元住職を処分。元住職は「知り合いに頼まれて寺を担保に借金し、約1億円に膨らんだ」と説明したという。




重要文化財:仏像2体が一時不明 前住職の知人宅に…京都
 天皇家ともゆかりの深い京都市上京区の天台宗・般舟院(はんじゅういん)が所蔵する重要文化財の仏像2体が今年9月ごろ、一時、所在不明になっていたことが分かった。同寺の前住職(71)の知人男性宅にあるとの情報が京都府教委にあり、相談を受けた京都府警上京署が同月、文化財保護法違反容疑で捜索、発見した。知人男性は「前住職から預かった」と話しているという。仏像は現在、市内の別の寺で保管されている。

 仏像は「木造阿弥陀如来坐像」(高さ約62センチ)と「木造不動明王坐像」(同82センチ)。いずれも平安時代の作とされる。文化財保護法では、文化財の保管場所を変更するには文化庁への届け出が必要。

 府教委や天台宗京都教区によると、前住職は借金があり、今年6月、寺の土地、建物が競売にかけられ、北海道の不動産業者が落札した。宗派は、必要な手続きをとらずに寺院を担保に入れたとして、前住職の僧籍を剥奪した。

 同寺は室町時代後期の創建で、歴代天皇の位牌(いはい)が安置されていたが、現在は、同市東山区の泉涌寺に移されている。【田辺佑介、花澤茂人】

毎日新聞 2011年11月29日 16時37分



天皇家ゆかりの寺院が競売に 重文仏像2体一時不明
 天皇家ゆかりの天台宗の寺院「般舟院」(京都市上京区)が競売にかけられ、所蔵する国の重要文化財の仏像2体が今年9月ごろ、一時所在が分からなくなっていたことが29日、京都府などへの取材で分かった。同月、京都府警が文化財保護法違反容疑で家宅捜索し、京都市内で発見した。

 仏像は平安時代の作とされる「木造阿弥陀如来坐像」(約62センチ)と「木造不動明王坐像」(約82センチ)。元住職に借金があり、寺院の土地と建物が今年6月に競売にかけられて、北海道の不動産業者が約1億4千万円で落札した。

 天台宗や府などが9月に調べたところ、仏像がなくなっており、府警が捜索。元住職(71)の友人宅に移動されていた仏像を見つけた。文化財の保管場所を変更する場合、文化庁に届け出をする必要がある。仏像は現在、別の寺院で保管している。

 天台宗は元住職の僧籍を剥奪した。府警によると、新しい住職は、ほかにも所在不明の物があると説明しており、調べている。

 市などによると、般舟院は室町時代の応仁の乱後の創建で、かつては天皇の法事が行われたほか、歴代皇室の位牌を安置していた。

 [ 2011年11月29日 11:07 ]