【ローマ共同】イタリア司法当局は21日までに、マネーロンダリング(資金洗浄)に関連した疑いがあるとして、ローマ法王庁(バチカン)の財政管理組織「宗教事業協会」(通称バチカン銀行)の資産2300万ユーロ(約26億円)を押収、ゴティテデスキ総裁らの捜査を始めた。ANSA通信などが伝えた。
この資産はバチカン銀行がイタリアの銀行、クレジト・アルティジャーノに預けていたものだが、法律に定められた送金者の個人名や送金理由を明らかにしないまま、一部をほかの銀行に送金しようとしたという。
バチカン銀行をめぐっては昨年11月にも、受取人や口座管理者名を明らかにせずに毎年約6千万ユーロを送金した事実が判明。当局が捜査を開始したが、今回の事件との関係は不明だ。
2010/09/21 21:24 【共同通信】
バチカン銀行、資金洗浄に関与か 伊司法当局が捜査開始
2010.09.22 Wed posted at: 10:17 JST
ローマ(CNN) ローマ法王庁(バチカン)の財政管理組織である「宗教事業協会(バチカン銀行)」がマネーロンダリング(資金洗浄)に関連した疑いがあるとして、イタリア当局が21日までに捜査を開始した。
イタリアの中央銀行「イタリア銀行」関係者によると、バチカン銀行が行った2件の送金に関して、マネーロンダリング(資金洗浄)防止を目的とした法律に違反する送金の疑いがあることをイタリア銀行が把握し、司法当局に通報した。本件の捜査に近い情報筋によれば、司法当局は通報を受けた時点ですでにバチカン銀行への捜査を開始していたという。
疑惑の対象は、バチカン銀行がイタリアの銀行クレジト・アルティジャーノに預けていた資金の2回にわたる送金で、法律に定められた送金者の情報などを明らかにしないまま、他行に送金しようとした。送金金額は一方が2000万ユーロ(約23億円)、もう一方が300万ユーロ(約3億4000万円)だった。イタリア国内メディアは、司法当局が同行の資産3000万ユーロ(約34億円)を押収したと報じている。
バチカン銀行は21日、金融業務には「完全な透明性」を期しており、捜査に「困惑している」との談話を発表した。
マネーロンダリングの専門家ジェフリー・ロビンソン氏は、バチカン銀行は「世界でもっとも秘密に包まれた銀行」で、広大な不動産などを収入源とする同行の資金の動きを、外部が把握することはほぼ不可能だと指摘する。バチカン市国は独立国家であるため、イタリアの司法当局がどこまで捜査を進められるかは不明。
http://www.cnn.co.jp/world/30000287.html
イタリア検察、資金洗浄の疑いでバチカン銀行幹部を捜査
2010年 9月 22日 10:11 JST
【ローマ】イタリアの検察当局は、マネーロンダリング(資金洗浄)禁止法に違反した疑いで、バチカンの財政を担当する宗教事業協会(IOR、通称バチカン銀行)のゴティテデスキ総裁とシプリアニ事務局長の捜査を開始した。バチカン当局が21日、明らかにした。関係筋によると、幹部らはイタリアの法律で必要とされている顧客の身元を開示しなかった疑いで捜査を受けている。
バチカンは幹部2人を捜査するとの決定に「当惑し、驚いている」と述べ、テロと資金洗浄防止のための対策がすべて講じられていると指摘した。その上で、IORは資金洗浄防止の国際基準を確実に準拠するため、イタリア銀行や経済協力開発機構(OECD)と協力していると述べた。
関係筋によると、イタリアの検察当局は1年以上前に、IORとイタリアの銀行からの送金について取り調べを開始した。IORの主要顧客はバチカンの当局者と聖職者。IORは長年にわたって顧客の身元を十分明かさずに、顧客の他銀行への送金を代行していたが、2007年にイタリアで厳しい情報開示規則が施行された。バチカンの広報担当者によると、捜査対象になっている送金先の口座名義は依然IORとなっており、顧客名ではない。
IORはローマ法王ベネディクト16世直属の枢機卿からなる小規模の委員会によって運営されており、財務報告は明らかにされていない。ゴティテデスキ総裁は1年前、業務改革のために総裁に就任した。それまでバチカンは20年以上、総裁を変えていなかった。バチカンは引き続き同総裁に「最大の信頼」を置いていると述べた。
バチカンは聖職者による性的虐待疑惑について透明性のある対応を行わなかったことで批判を受けている。ローマ法王ベネディクト16世は最近の英国公式訪問の際、これまでにないほど性的虐待について言及した。
2009年11月26日