東京電力福島第1原発事故でゴルフコースが放射性物質に汚染され、営業できなくなったとして、福島県二本松市のゴルフ場「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部岩代コース」の運営会社など2社が、東電に放射性物質の除去と損害賠償の仮払いを求めた仮処分申請について、東京地裁(福島政幸裁判長)は14日までに、申し立てを却下する決定をした。2社は同日、東京高裁に即時抗告した。
決定で福島裁判長は、ゴルフ場の土壌や芝が原発事故で汚染されたことは認めたが、「除染方法や廃棄物処理の在り方が確立していない」として、東電に除去を命じることはできないとした。
さらに、ゴルフ場の地上1メートル地点の放射線量が、文部科学省が子供の屋外活動を制限するよう通知した毎時3.8マイクロシーベルを下回ることから、「営業に支障はない」と判断し、賠償請求も退けた。(2011/11/14-20:08)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201111/2011111400849
ゴルフ場除染などを求めた仮処分申し立てを却下
東京電力福島第一原発事故による放射性物質の拡散で休業を余儀なくされているとして、福島県二本松市でゴルフ場を経営する「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」など2社が、東電に放射性物質の除去などを求めた仮処分申し立てについて、東京地裁が却下したことがわかった。
決定は10月31日付。福島政幸裁判長は「除染の手段や時期は国などの調整のもとで慎重に検討されるべき」とした。
同社側は休業中の人件費などの仮払いも求めたが、決定では「現状でゴルフ場の運営が不可能とは認められない」と退けた。同社側は14日、決定を不服として東京高裁に即時抗告した。
(2011年11月14日21時00分 読売新聞)
東京地裁 ゴルフ場の仮処分却下「営業に支障ない」
福島第1原発事故で休業を余儀なくされたとして、福島県二本松市の「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」が、ゴルフ場の維持に必要な経費など約8700万円の支払いを東京電力に求めた仮処分で、東京地裁は14日までに、申し立てを却下する決定をした。10月31日付。同倶楽部は14日、決定を不服として即時抗告した。
福島政幸裁判長は、ゴルフ場で検出された空間放射線量は「学校の校庭での活動を控える基準を下回っている」として「ゴルフ場の営業に支障はない」と判断。東電が原子力損害賠償紛争審査会の中間指針を踏まえて受け付けを始めた賠償請求手続きなどを利用すれば「早期に賠償を受けられ、当面の負担も回避できる」とした。
放射性物質の除去も「現状で除去を命じた場合、国の施策に抵触する恐れがある」と退けた。
東電は「個別案件にかかわり、回答を差し控える」としている。
[ 2011年11月14日 20:57 ]