【北京=加藤隆則】中国の江沢民・前共産党総書記(前国家主席)(85)が9日、北京の人民大会堂で開かれた辛亥革命100周年記念大会に出席し、健在が確認された。江氏は7月1日の同党創設90年記念大会に欠席し、一時は香港などで死亡説も流れた。公の場に姿を見せるのは昨年末、上海で京劇を鑑賞したのが報じられて以来。
9日の大会には、胡錦濤総書記ら主要な指導者が顔をそろえた。江氏は胡氏に続いてひな壇に登場、右手を挙げてあいさつすると、会場は「おーっ」という驚きの声に包まれた。江氏は係員に左腕を支えられるようにしながら、自分で席まで歩いた。胡氏が演説を終えて席に戻ると、隣に座っていた江氏は手を伸ばし、笑顔で握手を交わした。
周辺関係者によると、江氏は4月ごろ、急病で上海市内の病院に運ばれ、その後、医療体制の整った北京の人民解放軍301病院に転院したという。7月以降、容体悪化説が中国内外に一斉に広がった。死亡説については、中国外務省が記者会見で否定していた。
(2011年10月9日18時23分 読売新聞)