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2011/10/12

文部科学省「放射性セシウムが出ていればストロンチウムが出ても不思議ではない」

【原発】横浜のマンションでストロンチウム検出(10/12 11:49)
 福島第一原発から250キロほど離れた横浜市のマンションの屋上で、ウランが核分裂してできる放射性物質「ストロンチウム」が検出されていたことが民間の検査機関の分析で分かりました。

 文科省などによりますと、検出されたストロンチウムは、横浜市港北区にあるマンション屋上の泥などの堆積物からで、1キロあたり195ベクレルだったということです。

ストロンチウムは福島第一原発から80キロの圏内で検出されていますが、これより外の領域で詳しい調査は行われていません。

民間の検査機関は、このマンションは築5年と新しいため、過去の核実験の影響は受けていないと指摘しているということです。ストロンチウムは体内に取り込まれると骨に蓄積され、内部被ばくする可能性があります。文科省は、このデータの詳しい分析を行うとともに、より精度を増した広い範囲での測定も検討することにしています。





横浜市 ストロンチウム検出か
10月12日 18時2分
横浜市は、港北区の住民から、マンションの屋上にたまっていた土から放射性ストロンチウムが検出されたという情報が寄せられたことから、周辺の道路の側溝から採取した堆積物などを検査機関に送って、詳しく調べています。

横浜市は先月、港北区の5か所で放射性物質を検査したところ、大倉山の住宅街の側溝の堆積物から、1キログラム当たり4万200ベクレルの放射性セシウムが測定され、市は堆積物を撤去する措置を取っています。

横浜市によりますと、先月、この地域の住民から連絡があり、「自宅マンションの屋上の側溝にたまっていた土を民間の検査機関に送って調べたところ、1キログラム当たり195ベクレルの放射性ストロンチウムが検出された」として、市としても検査するよう求められたということです。

このため横浜市は、放射性セシウムが検出されたものと同じ堆積物を、もう一度市内の検査機関に送って、放射性ストロンチウムの検査をしており、近く出る結果を受けて、対応を検討することにしています。

文部科学省などによりますと、放射性ストロンチウムは、体内に吸い込むと、骨に蓄積してがんを引き起こすおそれがあるとされています。文部科学省の測定で、福島県の土壌などから検出されていますが、最大でも放射性セシウムの5%余りにとどまっていて、福島県以外では放射性ストロンチウムの測定はほとんど行われていないということです。

ストロンチウムについては、文部科学省が、ことし6月から7月にかけて福島第一原発から80キロ圏内の合わせて100か所で土壌を採取して分析した結果、45か所でストロンチウム89と90がともに検出され、文部科学省は原発事故によるものとみています。

このうち濃度が最も高かったのは、▽ストロンチウム89が、原発から30キロ余り離れた地点で、1キログラム当たりおよそ340ベクレル、▽ストロンチウム90が原発からおよそ5キロの地点で1キログラム当たりおよそ90ベクレルでした。

文部科学省は、これらのストロンチウムから受ける被ばく線量は、6月の調査時点から50年間で、それぞれ0.00061ミリシーベルトと0.12ミリシーベルトで、非常に小さいとしています。

文部科学省によりますと、放射線の一種、ベータ線を出すストロンチウムは、測定に時間がかかるうえ、検出装置の数も限られていることなどから、放射性セシウムに比べて、測定の数や頻度が少ないのが現状です。

ただ、ストロンチウムが検出される場所からは、必ず放射性セシウムが検出されていて、セシウムを調べることで、ストロンチウムの量を推定できるとしています。今回、横浜市のマンションの屋上から原発事故に由来するストロンチウムが検出された可能性があることについて、文部科学省は「放射性セシウムが出ていればストロンチウムが出ても不思議ではない。今後、状況をよく確認したうえで、さらに地点を広げて調査を行うか検討したい」としています。








ストロンチウム検出 市が採取物検査開始
2011年10月12日

 横浜市港北区のマンション屋上の堆積物から放射性物質のストロンチウム90が民間の調査機関によって検出されたことを受け、横浜市は今月に入り、区内の三カ所から採取した堆積物の検査を開始したことが分かった。これまで、ストロンチウムは検査方法が難しいことなどから、検査を実施してこなかった。結果は、週内にも出る見込みとしている。

 市健康福祉局によると、検査を実施しているのは、九月に公表した同区内の比較的高い放射線量を検出した二地点と、情報提供した男性の自宅マンション屋上の計三地点。民間検査機関に、委託している。

 二地点は、港北土木事務所近くの側溝一カ所(同区大倉山五)と、横浜アリーナ近くの噴水底部(同区新横浜三)で、それぞれ一キログラム当たり四万二〇〇ベクレルと、三万五〇〇〇ベクレルの高濃度の放射性セシウムを検出している。

 男性は自宅マンション屋上から、ストロンチウム90を同一九五ベクレル検出したことも、市に連絡したという。

 市の担当者は「徹底的に調べることにした。高い濃度の放射性セシウムが検出されたので、ストロンチウムが検出されるのは、織り込み済み。(除染などの)対応はセシウムの場合と同じになる」と説明した。 (荒井六貴)