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2011/09/19

インターネットでの呼び掛けを通じて反政府デモが広がった中東の「アラブの春」にならい、米国でも市民主導の改革を促そうと企画

ウォール街で抗議デモ、米国にも「アラブの春」を
2011.09.19 Mon posted at: 11:11 JST
(CNN) 米ニューヨークのウォール街で17日、米国の金融界と政界に対する抗議行動が行われた。インターネットでの呼び掛けを通じて反政府デモが広がった中東の「アラブの春」にならい、米国でも市民主導の改革を促そうと企画された。

抗議行動はカウンターカルチャー誌「アドバスターズ」創業者のカル・ラスン氏が発起人となり、ツイッターなどのウェブサイトを通じて米国金融の中心地であるウォール街に集結するよう市民らに呼びかけた。

今年に入って北アフリカから中東に飛び火した反政府デモでは、参加者が街の中心部を占拠して経済の停滞や圧政に抗議。チュニジアやエジプトなどの各国で、国民のニーズに応えることよりも権力の温存に固執したとみなされた政権が次々に崩壊した。

ラスン氏は、米国でもインターネットを使ってこうしたデモを盛り上げたい考えだ。「金融界に対する怒りは強まっている」「ウォール街など世界中の金融街に人々が結集して、世界の金融制度の改善と公正化を促す必要がある」と指摘する。

アドバスターズは7月にウェブサイトを開設してウォール街でのデモ行進とニューヨーク証券取引所での座り込みに参加者を募った。8月にはハッカー集団の「アノニマス」がこれに賛同してデモへの参加を促す動画を公開し、以後、日本、イスラエル、カナダ、欧州にも抗議行動を組織する動きが広がっている。



ニューヨークの抗議活動は2万人を集めることが目標だが、ラスン氏は9万人を集めたい考え。「ニューヨークを中心とする世界の金融制度は、ある意味我々をもて遊んでいる感がある」「経済運営、政治運営の在り方は変革が必要だ」と訴える。

ただし英国で起きたような暴動に発展することは望まないという。「我々が望んでいるのはたくさんの人が集まって要求を掲げ、ウォール街に向けてデモ行進することだ」「平和的な集会を開き、オバマ大統領への要求について討議すれば、徐々にエジプトでの出来事に匹敵するような状況を作り出せる」とラスン氏は話している。







米デモ仕掛け人 本紙に語る
2011年10月8日 朝刊
【ニューヨーク=青柳知敏】米ニューヨークのウォール街で始まった格差是正の抗議デモは、反消費社会などを掲げるカナダの非営利雑誌「アドバスターズ」(本部バンクーバー)がインターネットを通じて仕掛けていた。発行人のカレ・ラースン氏(69)は六日、本紙の電話インタビューで、投機目的の金融取引への「ロビンフッド税(一律課税)」の導入を求め、二十九日には世界各地で五千万人規模のデモを計画していると述べた。

 ラースン氏は二十九日を照準とする理由を「(来月上旬に)フランスで開かれる二十カ国・地域(G20)首脳会議の前に世界中で行動を起こすためだ」と説明。全米に広がるデモは、批判が拝金主義や高額な学費ローンなど多方面に向かっているが「投機的な金融取引に一律1%の課税を求める。これを世界共通の要求事項に据える」と明かした。

 アドバスターズは七月、ウェブサイトに「ウォール街を占拠せよ」とのスローガンを掲示。九月十七日を「キックオフ」として行動を呼びかけ、デモや座り込みの人数は現在も増え続けている。

 同氏は「米国は変革をもたらす国だったが、過剰な消費主義で腐ったリンゴのようになった」とした上で「金融エリートや巨大企業に未来を託すわけにはいかない」と指摘。米国はソーシャルメディアが熟しており「若者を中心に世界を変えていく巨大な力が醸成される」と述べた。

 現在のデモについては「リーダーも組織もないのに人々が集まり、国について意見を交わしている。この現状こそ、新しいスタイルの革命の始まりだ」と強調した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011100802000030.html



'11/10/30
大雪の中、「占拠」続行 NY、反格差デモ
 【ニューヨーク、ワシントン共同】米東部では29日、季節外れの大雪が降るなど大荒れの天気となった。ニューヨーク・ウォール街近くの公園で寝泊まりしている反格差社会デモ「ウォール街を占拠せよ」の参加者らは、寒さに凍えながら抗議活動を続けた。

 この日のニューヨークは気温が氷点下近くまで下がって強風で雪が吹き付け、時折大きな雷の音が響いた。ズコッティ公園のデモ参加者らは、体温保持用のシートで体をくるむなどして寒さをしのいだ。

 1カ月近く公園で寝泊まりしている大学の英語教員ウィリアム・スコットさん(42)は「寒さなんて関係ない。われわれはここで冬を乗り切る」と話した。

 首都ワシントンではみぞれが降る中、80人規模のグループが財務省前に集まり、大手金融機関ばかりを優遇しているとして政府を批判。投機的な株や金融商品などの取引に課税する「ロビン・フッド税」の導入を主張した。

 29日は、「ウォール街を占拠せよ」の仕掛け人のカレ・ラースン氏がロビン・フッド税導入を支持する世界一斉デモを呼び掛けていたが、今月15日のような世界一斉行動にはならなかった。