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2011/09/05

農林水産省などは、それらの地域のマツタケなどについて、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止と摂取制限の対象とする方針を固めた。

野生キノコ出荷停止へ 農水省・福島県、放射線検査強化
2011年9月5日8時0分
 福島県で採れた野生キノコから国の基準を超える放射性セシウムが相次ぎ検出されたことを受け、農林水産省などは、それらの地域のマツタケなどについて、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止と摂取制限の対象とする方針を固めた。措置が決まれば入山が止められ、まもなくシーズンを迎えるキノコ狩りができなくなる。



 基準の1キロあたり500ベクレルを超えたのはチチタケ。古殿町で3200ベクレル、棚倉町で2万8千ベクレルが検出された。福島県は両町に出荷や摂取の自粛を要請し、市場に流通はしていない。しかし、汚染濃度が高いため、農水省と県は両町周辺での検査を強化するとともに、この地域での出荷と摂取を法律で禁じる必要があると判断した。生きた木と共生して養分を吸い上げる「菌根菌(きんこんきん)」類全体を対象とする方針で、ほかにホンシメジなどが含まれる。

 両町は福島第一原発から50キロ以上離れている。県が棚倉町の採取場所の空間放射線量を調べたところ毎時0.38マイクロシーベルトで、町中心部と変わらなかった。このため県などは、チチタケが腐葉土などからセシウムを吸ったとみている。

 農水省がチェルノブイリ事故の際の文献を調べたところ、キノコが土中の放射性物質を吸い上げる割合はイネや根菜類などより高かったという。

 福島県内では4月以降、露地栽培の原木シイタケで基準超えが相次ぎ、16市町村で出荷停止中。施設栽培の原木シイタケも3市町で出荷が止まり、露地の原木ナメコでも基準超えが出ている。(大谷聡)





野生キノコ、一部出荷停止=福島2町、セシウム検出で
 政府は6日、福島県の棚倉町と古殿町で採れる野生キノコの一部について、食品衛生法の暫定規制値を上回る放射性物質が検出されたとして、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止を同県知事に指示した。棚倉町のキノコは検出値が高かったため摂取制限も指示した。同県は既に両町に出荷自粛を要請している。

 出荷停止となるのはマツタケやホンシメジなど、土から生える「菌根性」の野生キノコ。枯れ木や落ち葉から生えるマイタケなど「腐生性」の野生キノコは、過去の研究結果から放射性物質の吸収率が菌根性の10分の1程度と推定されるため対象外とした。施設栽培のキノコも対象外。

 棚倉町では3日、チチタケから暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を大幅に超える2万8000ベクレルの放射性セシウムが検出された。古殿町では8月に3200ベクレルが検出された。(2011/09/06-18:34)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011090600669