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2011/08/02

地震発生後に4号機タービン建屋地下の冷却水系タンクで水位の低下を示す警報が作動。東電の社員二人が当直長から点検を指示され現場に向かった。

死亡東電社員、避難指示の対象外で逃げ遅れか
 東日本大震災後に、東京電力福島第一原子力発電所の4号機タービン建屋地下で点検作業中の東電の男性社員2人が津波に巻き込まれて死亡した事故は、大津波警報に関する避難指示の情報は屋外の作業員が対象で、屋内の作業員は対象外のため逃げ遅れた可能性があることが2日わかった。



 東電が同日の記者会見で発表した。

 亡くなったのは、同原発第一運転管理部運転員の小久保和彦さん(当時24歳)と寺島祥希さん(同21歳)。死因は、多発性外傷による出血性ショック死。

 2人は4号機の中央制御室で定期点検の作業をしていたが、地震発生直後に4号機タービン建屋の冷却水系のタンクで水漏れの警報が鳴り、指示書通りに現場責任者の当直長から点検するよう指示された。

 気象庁は地震発生3分後の午後2時49分に、高さ3メートルの津波が午後3時10分ごろ福島県に到達すると大津波警報を発令。そのため、東電は一斉通報できる通信機で「屋外にいる作業員は避難するように」と指示。しかし、建屋内に津波が襲来することは想定せず、建屋内の作業員には避難は呼びかけなかった。

(2011年8月2日22時35分 読売新聞)







点検中に津波被害か 福島原発で死亡の東電2社員
2011/8/2 13:23
 東京電力福島第1原子力発電所4号機のタービン建屋地下で、東日本大震災の約3週間後に遺体で見つかった東電男性社員2人が、3月11日に現場責任者の当直長からの指示で、水漏れの点検をしている際に津波にのみ込まれたとみられることが2日、東電への取材で分かった。

 東電は「地震の揺れが収まれば、現場のパトロールをするのが通常業務」とした上で「一斉放送で当直員に大津波警報が発令されたことを周知したが、建屋内まで津波が来ることは想定しておらず、屋内での作業は続行させた。2人が警報を認識していたかは確認できない」としている。

 東電によると、地震発生後に4号機タービン建屋地下の冷却水系タンクで水位の低下を示す警報が作動。社員の小久保和彦さん(24)と寺島祥希さん(21)が、当直長から点検を指示され、現場に向かった。大津波警報発令が、指示の前後いずれかだったかは不明としている。2人は3月30日に遺体で見つかった。〔共同〕