東電社員「原子炉建屋の水素爆発は予測できなかった」
東電社員「水素爆発予測せず」 聴取に、想定に甘さ
東京電力福島第1原発事故で、内閣が設けた第三者機関「事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)の事情聴取に、東電社員が「原子炉建屋の水素爆発は予測できなかった」と話していることが17日、事故調関係者への取材で分かった。
事故調はこれまでに第1原発の吉田昌郎所長(56)ら多数の東電社員から事情聴取。こうした証言を、事故や被害拡大防止に向けた東電の想定の甘さを示す“証拠”として注目している。
聴取内容は8月に入って各委員に周知されており、今後は年内に取りまとめる中間報告に向け、事情聴取と並行して証言内容の精査もする方針。
事故調関係者によると、3月12日午後に1号機の建屋上部が吹き飛んだ水素爆発について、東電側は「原子炉や格納容器の状況把握に集中するあまり、建屋に水素が充満して爆発する恐れにまで考えが及ばなかった。爆発の予測はできなかった」と証言した。
さらに「2号機と3号機の爆発を防ごうとしたが、建屋の放射線量が高く、作業が行えないまま14日に3号機も爆発した」との証言もあった。
事故調は7月以降、東電社員のほか、経済産業省原子力安全・保安院の担当者らを対象に事情聴取を継続している。
(2011年8月17日)