群馬県の有名観光地の赤城山・大沼(前橋市)のワカサギから、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える640ベクレルの放射性セシウムが検出されたと県が29日、発表した。
県は安全性が確認されるまで、県内17カ所の湖や沼でのワカサギ釣り自粛や解禁日の延期を要請した。大沼では食用になるウグイやコイ、マス類も自粛の対象とした。
水産庁によると、福島県以外で、淡水の魚から基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは初めて。(2011/08/29-22:11)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2011082900864
東日本大震災:赤城大沼などのワカサギ漁自粛、県要請 放射性物質規制値超え /群馬
県は29日、赤城大沼(前橋市)で22、23日に採取したワカサギから、放射性セシウムが暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える同640ベクレル検出されたと発表した。これを受けて県は、赤城大沼を含む県内17湖沼の漁業協同組合に漁の自粛を要請した。ワカサギ釣りを観光資源としている赤城大沼や榛名湖(高崎市)は、9月1日に予定していた解禁日を延期する。自粛が長引けば湖畔の観光業に大きな打撃を与える可能性がある。
県によると、ワカサギ漁自粛は福島県に続き2例目。赤城大沼のワカサギは個体量が少なく、商業用に採取されていないため流通していない。セシウムを摂取した微生物をワカサギが食べ、食物連鎖を通じて生物濃縮されたとみられる。
赤城大沼については食用魚(ワカサギ、ウグイ、コイ、マス)の漁をすべて自粛し、その他の16湖沼はワカサギ漁だけが自粛の対象。地形や水系で県内を9地域に分けて再検査し、赤城大沼(1地域)は3回連続で暫定規制値を下回った場合に自粛解除、その他の8地域は検査結果に応じて県が解除するか判断する。
赤城大沼漁協の青木泰孝組合長は「観光業としては大打撃。補償請求も考える」と話している。【鳥井真平】
毎日新聞 2011年8月30日 地方版