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2011/08/02

高濃度の放射性セシウムを含む腐葉土流通問題 :肥料の放射性セシウムの基準値が決まる

肥料の基準値400ベクレル、農水省が公表
2011年8月2日 14:05
 腐葉土や家畜のふんなどの堆肥が放射性セシウムに汚染されていたことに関して、農水省は2日、使用の際の基準を公表した。

 農水省が基準を設定したのは、農家の畑や家庭用菜園で広く使われている腐葉土などの植物性の肥料や、牛のふんなど家畜の排せつ物から作る肥料などで、使用の目安は肥料一キログラムあたり400ベクレルを超えないというもの。これまで、肥料などには放射性物質の影響に関する安全基準がなかった。農水省は、今回示した基準を基に全国の都道府県に検査を実施するよう依頼し、基準を超えた場合は販売や使用をしないよう指導する方針。

 この問題をめぐっては、先月、秋田県内のホームセンターで販売されていた腐葉土から一キログラムあたり1万ベクレルを超える放射性セシウムが検出されていた。






腐葉土:セシウム許容値 1キロ400ベクレルと設定
 高濃度の放射性セシウムを含む腐葉土が流通していた問題を受け、農林水産省は2日、腐葉土を含む肥料などについて、放射性セシウムの暫定許容値を1キロ当たり400ベクレルに設定したと発表した。家畜の配合飼料は同300ベクレル、養殖魚の餌は同100ベクレルとの暫定許容値も新設。全国の都道府県に1日付で通知した。

 同省は東京電力福島第1原発事故後の4月14日、放射性物質が広く飛散していることを踏まえ、家畜の粗飼料である稲わら(乾燥前の重量に換算)と牧草についてのみ、同300ベクレルの暫定許容値を設定していた。今回の新設により農畜産業の肥料や飼料について包括的な基準がようやく整った。ただし暫定許容値は食品衛生法の暫定規制値とは異なり、法律に基づかない行政指導の基準。

 同省農産安全管理課などによると、許容値400ベクレルとされたのは肥料(家畜排せつ物やわら、落ち葉など)のほか、砂などの土壌改良資材、苗を育てる培土など土に施されるもの全般。許容値を超えるものは生産や出荷、流通をさせないよう指導される。

 既に高濃度に汚染された栃木県産の腐葉土が流通しており、許容値の設定が遅いとの指摘があるが、同課は「対策が間に合わず残念だ」としている。

 今回の設定を受け、同省が先月25日に緊急避難的に出していた東日本17都県産の肥料の出荷・使用自粛指示は解除された。【井上英介】

毎日新聞 2011年8月2日 11時47分(最終更新 8月2日 12時46分)




肥料の基準値400ベクレル 汚染腐葉土問題受け農水省
 高濃度の放射性セシウムに汚染された腐葉土が各地に販売された問題を受け、農林水産省は、落ち葉などの植物や牛ふんを使った肥料の放射性セシウムの基準値を1キロあたり400ベクレルと定めた。1日付で全国の都道府県に通知した。数値を超える場合は、田畑への利用や販売をしないよう求めている。

 秋田県のホームセンターなどで1キロあたり1万ベクレルを超える腐葉土が販売されていたが、肥料の基準値はなかった。肥料は、落ち葉や樹皮など様々な原料を混ぜ合わせて作るため、基準値は製品段階で設定した。

 ただ、各県の放射性物質の検査態勢には限りがあるため、原発事故後に収集されて汚染された可能性がある落ち葉や樹皮、稲わらを食べた牛のふんの利用は避けるよう呼びかけている。

 農水省は併せて、家畜に与える配合飼料の基準値を1キロあたり300ベクレル、魚の養殖用のえさは同100ベクレルに設定した。