ページ

2011/08/13

県立医科大=「健康調査を研究で終わらせず、県民が最先端の診断や治療を受けられるようにしたい」

放医研・放影研と県立医大が連携
2011年08月13日
 ●協定締結 県民の健康見守る

 東京電力福島第一原発の事故による放射線の健康影響を長期間見守るため、県立医科大は12日、被曝(ひばく)医療や健康調査に豊富な研究経験を持つ放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)、放射線影響研究所(放影研、広島市)と連携協定を結んだ。

 数年後に県立医科大が設立を計画している健康管理センター(仮称)を拠点に、連携して県民への健康調査や将来に備えたがんの早期診断、早期治療体制の整備にあたる。


 県立医科大は、全県民200万人が対象の健康調査を進めるうえで両研究所との協力が不可欠と判断した。被曝医療の中核施設である放医研は、被曝線量の推定や将来、健康影響が出た場合の早期診断、治療に協力。原爆被爆者の健康調査を50年以上続けてきた放影研は、疫学研究の分野で連携する。

 調印式後の記者会見で、県立医科大の菊地臣一学長は「県民、国民の健康を見守るという社会的使命を果たすため、オールジャパンの中核として両研究所と連携、協力を深めたい」と話した。(林義則)






'11/8/13
放影研が福島県立医大と協定
 福島第1原発事故を受けた福島県民約200万人の健康管理調査に生かすため、放射線影響研究所(放影研、広島市南区)と放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)は12日、福島県立医科大(福島市)と連携協定を結んだ。また同日、県立医科大に被曝(ひばく)医療の拠点を新設する構想も明らかになった。

 放影研は広島、長崎の原爆被爆者を対象に続けてきた追跡調査や心理的支援のノウハウを提供する。締結式で放影研の大久保利晃理事長は「福島への支援は被爆者共通の願いだと思う」と述べた。放医研は高度な放射線医療技術で協力する。

 新拠点には両研究所に加え、広島大、長崎大も参加する予定。県立医科大副学長を務める広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の神谷研二所長は「福島県民の健康影響を長期的に追跡し、放射線に関わる人材を育成するために拠点は不可欠」と指摘する。広島大からの研究者派遣も含めた協力を検討するという。

 県立医科大の菊地臣一理事長は「健康調査を研究で終わらせず、県民が最先端の診断や治療を受けられるようにしたい」と話している。