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2011/08/01

極めて高い放射線量が見つかった配管は、地震の翌日の3月12日に、1号機でベントと呼ばれる外部に放射性物質を放出した際に使用したもの

1万ミリシーベルト超の放射線量
8月1日 21時4分






東京電力福島第一原子力発電所の、1号機と2号機の原子炉建屋の間にある屋外の排気筒付近で、1日午後、これまでで最も高い、1時間当たり1万ミリシーベルトを超える放射線量が計測されました。東京電力は付近を立ち入り禁止にして原因を調べています。

東京電力によりますと、1万ミリシーベルトを超える極めて高い放射線量が計測されたのは、1号機と2号機の原子炉建屋の間にある排気筒の底を通る配管付近で、1日午後、東京電力の社員が棒の先に付けた線量計で測定したところ分かりました。

この場所は、先月31日、特殊なカメラを使った観測で高い放射線量が出ていることが分かったことから、1日、改めて詳細な計測を行ったということで、東京電力は付近を立ち入り禁止にしました。

また、計測した作業員が、最大で4ミリシーベルトの被ばくをしたということです。

福島第一原発でこれまで計測された最も高い放射線量は、▽屋外では3号機の南側で見つかったがれきからで、1時間当たり1000ミリシーベルト、▽屋内では1号機の原子炉建屋の中の1時間当たり4000ミリシーベルトで、今回はそれらを上回っています。

東京電力によりますと、今回、極めて高い放射線量が見つかった配管は、地震の翌日の3月12日に、1号機でベントと呼ばれる外部に放射性物質を放出した際に使用したもので、その際に高濃度の放射性物質が付着したのではないかとみて調べています。

また、東京電力によりますと、この付近で今のところ復旧作業を行う予定はないほか、1号機を覆うカバーの設置も遠隔作業で行うため、影響はないとしています。







過去最高線量の放射線検出…1、2号機主排気筒

東京電力は1日、福島第一原子力発電所の1、2号機原子炉建屋近くにある主排気筒の下部の配管表面で、これまでで最高の1時間当たり10シーベルト(1万ミリ・シーベルト)以上の放射線を検出したと発表した。

 付近での作業予定はないが、東電は半径3メートル以内を立ち入り禁止にした。これまでは1号機原子炉建屋内部で検出した毎時4シーベルト(4000ミリ・シーベルト)が最高だった。
 毎時10シーベルトの放射線を6分間浴びると、吐き気などの急性症状が出る1シーベルトの被曝(ひばく)線量に達する。
 これまで主排気筒付近では復旧作業が行われてこなかったが、7月31日に離れた場所のガンマ線を検出するカメラを使って作業員が周辺を確認中、高い線量を出す場所を発見。1日に地面近くを通る配管の表面の放射線量を測定して判明した。測定した3人の被曝線量は最高4ミリ・シーベルトだった。

(2011年8月1日20時42分 読売新聞)









福島第1原発:排気塔配管で10シーベルト 事故後最高値
 東京電力は1日、福島第1原発1、2号機の原子炉建屋の西側にある排気塔下部の配管の表面付近で、計測器の測定限界に相当する事故後最高値の毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上もの高い放射線量を計測したと発表した。10シーベルトを被ばくすると、ほぼ全員が死亡し、福島第1原発の事故対応に限って引き上げられた被ばく線量の上限値である250ミリシーベルトを約1分半で超えるほど非常に高い数値だ。

 東電は「現場の半径数メートルを立ち入り禁止としたほか、鉄板などで遮蔽(しゃへい)するため、事故処理作業に影響はない」と説明するが、他の場所でも同様の高線量が見つかれば事故収束の作業にも影響が出る可能性がある。作業員の無用な被ばくを避けるためにも、他に高線量の場所がないか詳細な調査を実施するなど、徹底した放射線の管理が必要だ。

 東電によると、がれきの撤去作業後に線量の変化を測定していた作業員が、同日午後2時半ごろ確認した。高線量の放射線が計測された配管は、非常時に原子炉建屋内の気体が通るもの。原因としては、3月12日に同原発1号機で、原子炉格納容器を破損から守るため圧力を下げるベント(排気)をした後、配管内部に高濃度の放射性物質を含む気体がとどまっているか、外部に放射性物質の微粒子が付着している可能性があるという。現在、配管は使用されていない。これまで事故後に計測した放射線量の最高値は、1号機原子炉建屋1階の同4000ミリシーベルトだった。

 計測にあたった東電社員3人の被ばく線量は最高で4ミリシーベルトと推定された。またこれまで現場付近で作業していた作業員は少なく、大量に被ばくした作業員は確認されていないという。【鳥井真平、河内敏康】

毎日新聞 2011年8月1日 20時07分(最終更新 8月2日 0時47分)