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2011/07/27

「放射線による障害を考えるときは放射線の総量を見るが、政府や東京電力からは今回の福島第一原発から出た放射線の総量がどれくらいであるかはっきりした報告がない。

放射線の影響巡り参考人質疑
7月27日 13時8分
衆議院厚生労働委員会は、東京電力福島第一原発の事故を受けて、放射線の健康への影響について専門家から参考人質疑を行い、この中では、周辺住民に放射線に対する理解を深めてもらうことが重要だという意見や、放射線の影響を受けやすい子どもの安全を守るよう求める要望などが出されました。

参考人質疑には、放射線や食品安全、それに原子力などの専門家ら6人が出席しました。



この中で、放射線医学総合研究所理事の明石真言氏は「福島第一原発の事故によって周辺住民の健康への影響は非常に大きい。放射線について何が危なくて何が危なくないのかということを住民に分かりやすく理解してもらうことが重要で、住民が判断できる材料を早く提供すべきだ」と述べました。

日本学術会議副会長の唐木英明氏は、肉牛から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが相次いで検出された問題に関連し、「基準値は安全と危険の境目よりもずっと厳しく決められており、安全と危険の境目ではない。基準値を超えたものがすぐに危険だという理解が広まっていることが大きな混乱の原因になっている」と述べました。

一方、東京大学先端科学技術研究センター教授の児玉龍彦氏は「放射線による障害を考えるときは放射線の総量を見るが、政府や東京電力からは今回の福島第一原発から出た放射線の総量がどれくらいであるかはっきりした報告がない。放射線は幼い子どもにとって非常に危険で、政府は子どもを守るために全力を尽くしてほしい」と述べました。

 









「内部被曝は全員1ミリシーベルト未満」先行122人異常なし 福島県の調査2011.7.23 19:16
 福島県は23日、福島第1原発事故を受けた全県民対象の被曝(ひばく)影響調査の一環で先行実施した浪江町の住民の内部被曝調査について、結果を伝える説明会を二本松市で開催した。調査に当たった放射線医学総合研究所(千葉市)の明石真言理事は、飯舘村、川俣町山木屋地区も合わせた122人について「全員、内部被曝線量は1ミリシーベルト未満で問題なかった」と説明した。

 調査は先月27日から実施。ホールボディーカウンターと呼ばれる装置を使って内部被曝線量を測定、尿を採取して放射性物質が含まれていないかも調べた。

 説明会には浪江町の27人が参加。明石氏が内部被曝がどのようにして起きるかや被曝線量の算出方法を説明、担当者が調査結果の見方を示し、個別相談にも応じた。