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2011/06/21

イラン、「日本政府による透明な情報の開示が最も重要」 加盟国の核の安全に関する基本的な情報を隠したとして、IAEAも非難

2011年 6月 21日(火曜日) 14:02
イラン、「日本政府は福島事故の情報開示を」
 イランのアッバースィー原子力庁長官が、日本政府に対し、福島原子力発電所の事故の透明な情報をIAEA国際原子力機関の加盟国に開示するよう求めました。

イランの副大統領を兼任するアッバースィー長官は、20日月曜、オーストリアのウィーンで開かれた核の安全に関する会議で演説を行い、東日本大震災に関して日本の政府や国民にお見舞いの言葉を述べました。

 アッバースィー長官は、「原子力発電所の安全は、世界的な側面を伴う技術的な問題であり、直接人類の命や健康に関わる。このためIAEA加盟国は、福島原発事故を深く憂慮している」と語りました。
 
 また、「放射能漏れ事故は、生物や環境に大きな害を及ぼす。このため、福島事故の深刻さに注目し、日本政府による透明な情報の開示が最も重要だ」と述べました。
さらに、加盟国の核の安全に関する基本的な情報を隠したとして、IAEAを非難しました。
また、IAEAに対し、福島第1原子力発電所の状況に関する透明で包括的な評価を作成し、事故の再発を防ぎ、その危険性を抑えるため、これに関する経験を加盟国に移転するよう求めました。

 アッバースィー長官は、「福島の事故が示したように、核の安全性の欠如は、国際社会にとって取り返しのつかない甚大な被害をもたらす」と述べました。
さらに、イランに対する国連安保理の決議に関して、「IAEAの規約やNPT核兵器不拡散条約などの、法規に基づき、イランに対する安保理決議は非合法で、不公正なものだ」としました。
 
 また、「イランの優先事項は、ブーシェフル原発の安全性を完全に確保することであり、IAEAは現在の基準に則ってイランの措置を検討し、数々の報告書の中でこの原発の安全性を認めている」と述べました。
ウィーンで開かれている核の安全に関する国際会議は、20日月曜、開幕しました。

最終更新 ( 2011年 6月 21日(火曜日) 16:58 )