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2011/06/10

文部科学省の調査によると、表面の土を除去した学校では、地表から50cmの線量は下がっているという。

東日本大震災 校庭の表土を除去した福島・渡利小学校で児童が校庭で遊ぶ

東日本大震災の発生から6月11日で3カ月。放射性物質への不安を抱えていた福島県のある小学校では、子どもたちが、ようやく校庭で遊ぶことができた。しかし、そこには依然、重い現実が横たわっていた。

東日本大震災から、11日で丸3カ月。

福島市の渡利小学校では、放射性物質に汚染された土が取り除かれ、久しぶりに校庭が使えるようになった。






渡利小学校の高橋友憲校長は「子どもが、休み時間には校庭で元気に遊ぶというのが、(正常化を)実現する1歩を踏み出せたと、うれしく思っている」と語った。
しかし、実際校庭で遊ぶかどうかは、それぞれの家庭の判断に委ねたという。
高橋校長は「おうちの方々と子どもが話し合って、(校庭に)出るかどうかを決めましょうと」と語った。

10日、休み時間を告げるチャイムが鳴ると、子どもたちが校庭に駆け出した。
しかし、多くの子どもたちがマスクに長袖姿だった。

放射性物質を恐れてのことだったが、福島市は10日、30度に達する暑さ。
校庭で遊ぶ子どもは「夏なので、帽子とかマスクもしないといけないので、ちょっと暑い」と語った。


真夏日の暑さの中、子どもたちは長袖とマスク姿で遊んでいた。

校庭表面の土を除去した結果、空間放射線量は毎時0.16マイクロシーベルトまで下がったが、安全を考慮し、校庭の使用は、休み時間だけとなっている。

さらに、校庭の使用は再開されたが、校庭の端は0.3~0.4マイクロシーベルトと、比較的線量が高いことから、ロープが張られ、立ち入りができないようになった。


高橋校長は「学校の中は大丈夫になったが、地域は放射線が高いので、子どもが、のびのびと生活できる環境は整っていない」と語った。

こうした中、福島県の小・中学校などの校庭の放射線量が、表面の土を取り除いた学校では大きく下がっていることがわかった。

文部科学省の調査によると、表面の土を除去した学校では、地表から50cmの線量は下がっているという。

渡利小学校では5月26日、3.0マイクロシーベルトだった数値が、除去したあとの6月2日には、およそ10分の1にあたる0.3マイクロシーベルトに下がったという。


(06/10 17:30 福島テレビ)









福島 小学校屋外活動一部再開6月10日 16時15分
放射線量を抑えるために、校庭の表面の土を取り除く工事が行われた福島市の小学校で、10日、震災後初めて、休み時間に限って校庭での活動が再開されました。

福島市では、比較的高い放射線量が測定された小、中学校や幼稚園などで、先月末から校庭などの表面の土を取り除く作業が進められています。このうち市内の渡利小学校では、3日に作業が終わり、屋外の放射線量の平均の値が工事前のおよそ8分の1に下がったことから、10日から休み時間に限って校庭での活動が再開されました。小学校では午前中、休み時間を知らせるチャイムが鳴ると、児童たちが勢いよく校庭に飛び出し、ドッジボールをしたり、校庭を元気よく走り回ったりしていました。屋外での活動はマスクと帽子を身に着けることが条件で、木や草の多い校庭の隅やぶらんこなど、放射線量のやや高い場所にはロープが張られ、近づくことが制限されています。児童たちは「久しぶりに校庭で遊べて楽しいです」とか、「マスクと帽子はちょっと邪魔に感じます」と話し、休み時間が終わると念入りに手を洗って教室に戻っていきました。渡利小学校の高橋友憲校長は「児童が元気よく遊ぶ姿は学校の原風景でもあり、うれしいですが、いまだ制限があるうえ、学校の外には放射線量の高い場所もあり、本来の姿に戻るのはまだまだ難しいです」と話していました。










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