福島原発の事故対応
2011/5/26 14:06
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は26日、福島第1原子力発電所の事故翌日(3月12日)の1号機への海水注入問題で、東電は海水注入の4時間前に、保安院に加え、官邸にもファクスを送っていたと公表した。政府側が見落としていたとの見方が浮上しそうだ。
西山審議官は「どのように受け取られたかは分からない。東電は内閣官房に加え地元の県市町村、警察、消防機関などに同時に送っていた」と述べた。
「東電は首相官邸にも事前ファクス」 1号機の海水注入計画で保安院
2011.5.26 13:56
東京電力福島第1原発事故で1号機への海水注入が一時中断した問題で、経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は26日、海水注入の3時間以上前の3月12日午後3時20分ごろに東電から事前報告として送られてきたファクスは、同時に内閣官房などにも送信されていたことを明らかにした。
菅直人首相は国会で「東電から報告はなかった」と答弁しているが、西山審議官は「ファクスが内閣官房でどのように共有されたかはわからない」と話した。
西山審議官によると、ファクスの記録を確認したところ、あて先として保安院のほかに内閣官房の内閣情報集約センターや同原発の地元自治体などが書かれていた。保安院と内閣官房への送信が同時であることを、東電と首相官邸に確認したという。
東日本大震災:福島第1原発事故 海水注入準備の東電ファクス通知、内閣官房にも
東京電力福島第1原発事故で1号機への海水注入が55分間中断した問題で、経済産業省原子力安全・保安院は26日、海水注入の準備を知らせるファクスを東電が保安院だけでなく、菅直人首相を直接補佐する内閣官房にも送信していたことを明らかにした。菅首相は23日の国会答弁で「(注水開始の)報告がないものを『やめろ』と言うはずがない」と否定しており、政府内での情報共有のあり方が改めて問われそうだ。
保安院によると、海水注入について、3月12日午後3時20分ごろ、東電からファクスで保安院に伝えられた際、内閣官房にもファクスで連絡されていたことを東電と官邸に確認したという。ファクスに記載されている宛先は、危機管理に関する情報を一元的に集約する内閣情報集約センターと、福島県や原発のある市町村だった。【河内敏康、比嘉洋】
毎日新聞 2011年5月26日 東京夕刊