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2011/05/10

使用済み燃料の損傷ではなく原子炉の燃料の損傷によって放出された放射性物質が何らかの原因でプール内に混入した可能性が高い

3号機プールの映像初公開、重なる大量のがれき
 東京電力は10日、福島第一原子力発電所1号機で、格納容器を水で満たす冠水(水棺)に必要な機器の調整作業を始めた。

 原子炉建屋内に作業員が入り、圧力容器の水位計が正しい測定値を示すよう調整を行った。格納容器の圧力計については11日に調整する予定。

 一方、東電は10日、3号機の使用済み核燃料一時貯蔵プール内部を水中カメラで撮影した映像を初めて公開した。

 3号機の原子炉建屋は3月14日に水素爆発した。映像は8日に撮影。原子炉建屋の屋根や壁の一部とみられる大量のがれきが、燃料を収めた金属製ラックの上に積み重なり、爆発のすさまじさを物語っている。

 水質分析も同時に行い、炉心の燃料がすべてプールに移されていた4号機の2000倍以上にあたる放射性セシウム137のほか、半減期がそれぞれ8日、13日と短いヨウ素131、セシウム136も検出された。東電は「(水素爆発の時期からして)検出されたのは、原子炉での核分裂反応で発生した放射性物質が溶け込んだものとみられ、プール内の燃料が破損して出てきた物質とは考えにくい」と説明している。

(2011年5月10日20時40分 読売新聞)










3号機プール 高濃度の放射性物質
5月10日 18時56分
東京電力福島第一原子力発電所の3号機の使用済み燃料プールから、高濃度の放射性物質が検出されました。先月、2号機のプールから検出されたレベルとほぼ同じで、東京電力では、原子炉の燃料の損傷によって放出された放射性物質ががれきに付着するなどして混入した可能性が高いとみて、調べています。

東京電力は8日、3号機の使用済み燃料プールの水を採取して放射性物質の濃度を調べました。その結果、いずれも1cc当たりの値でセシウム134が14万ベクレル、セシウム137が15万ベクレル、ヨウ素131が1万1000ベクレル検出されました。これらの放射性物質は、核燃料が核分裂する際に作られるもので、震災前の3月2日の測定では、いずれも検出されませんでした。

東京電力によりますと、今回検出された値は、先月、2号機のプールで検出されたレベルとほぼ同じ高濃度で、半減期が短いヨウ素が検出されていることなどから、使用済み燃料の損傷ではなく原子炉の燃料の損傷によって放出された放射性物質が何らかの原因でプール内に混入した可能性が高いとみています。

8日に撮影された3号機のプールの映像には、水素爆発によって飛び散ったとみられるがれきが、辺り一面を覆っていることから、東京電力では、こうしたがれきに付着するなどした放射性物質が混入した可能性があるとみて原因を調べています。









東京電力、福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プール水の分析結果を発表
福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プール水の分析結果について

 当社は、平成23年5月8日、福島第一原子力発電所3号機の使用済燃料プール内の状態を確認するために、コンクリートポンプ車を用いて、プール水約40mlを採取いたしました。

 採取したプール水について放射性物質の核種分析を行った結果、別紙の通り、放射性物質が検出されたことから、本日、原子力安全・保安院ならびに福島県へ連絡いたしました。

 今後、より詳細な評価を実施してまいります。


以上

 ・別紙:福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プール水の分析結果
   ※ 関連資料参照



● 関連リンク
東京電力(株) ホームページ


● 関連資料
福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プール水の分析結果