菅総理がサミットで「住宅1000万戸の屋根に太陽光パネルの設置を目指す」と表明したことについて、エネルギー政策を担当する海江田経済産業大臣は、事前に相談がなかったことを明らかにしました。
「1000万戸にソーラーパネルをつけるとの話は聞いていない。報道を通じて知った」(海江田万里 経産相)
太陽光パネルの設置には、一世帯あたりおよそ200万円の費用がかかるため、実現に向けては少なくとも数兆円規模の財源が必要とみられています。海江田大臣は、記者から事前の相談がなかったことについて感想を求められると、長い沈黙の後、困惑した表情を浮かべ、「総理ですから自分の思いを発言するのはかまわないと思う」と絞り出すように語りました。(27日21:59)
太陽光パネル公約、経産相「聞いてない」 会見で沈黙も
2011年5月27日22時7分
菅直人首相が主要国首脳会議(G8サミット)で訪れたフランスで国内1千万戸の屋根に太陽光パネルの設置を目指すと話した「国際公約」について、海江田万里経済産業相は27日、「聞いていない」と語った。閣内で意思統一された目標ではないようだ。
海江田氏は27日夕の記者会見で、パネル設置の財源を聞かれ、「報道を通じて知ったので、(首相が)帰ったらもうすこし詳しく話をお聞きしたい」と答えた。エネルギー政策担当の経産相に相談なく決めることがあるのかとの問いには、唇をかみ締めながら7秒間沈黙した。その後、「内閣総理大臣だから自分の思いを発言するのはかまわないと思う」と語った。
1千万戸を設置するには多額の補助金が必要になるとみられる。海江田氏は実現できるかどうかについて「(菅首相が)よくお考えになっての発言と思います」と話した。(福田直之)
「首相の思い」「報道で知った」=1000万戸に太陽光目標で-海江田経産相
海江田万里経済産業相は27日夕、経産省内で記者団に対し、菅直人首相がフランスのドービルでのサミット(主要国首脳会議)で表明した1000万戸の家の屋根に太陽光パネルを取り付ける目標について、「報道を通じて知った」と述べ、事前に相談を受けていなかったと説明した。首相の外遊中の発言に対し、担当大臣が聞いていないと公言するのは異例。
首相が、発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率を20%超へ高める時期を現行計画の2030年から「20年代のできるだけ早い時期」へ前倒しする考えを表明したことについても、経産相は「そこに向けて技術革新を行いたいということだ」と述べ、前倒しが主眼ではないとの認識を示した。
経産相は「内閣総理大臣だから、自分の思いを発言することは構わない」とも語った。(2011/05/27-21:10)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201105/2011052700977