5月29日 3時17分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、新たに宮城県と茨城県の沖合の海底で採取した土からも、通常の濃度を大幅に上回る放射性セシウムが検出されました。専門家は「魚介類への影響がないか、広い範囲で監視を強めるべきだ」としています。
東京電力福島第一原発の事故で、文部科学省は、放射性物質による汚染の広がりを確かめるため、今月9日から14日にかけて、太平洋沿岸の南北300キロに及ぶ合わせて12ポイントで海底から土を採取し、分析しました。
その結果、新たに調査を行った宮城県と茨城県の沖合の海底を含むすべての調査ポイントで、放射性物質を検出したということです。
このうちセシウム137の濃度は、▽仙台市の沖合30キロの深さ45メートルの海底で、通常の100倍前後に当たる1キログラム当たり110ベクレル、▽水戸市の沖合10キロの深さ49メートルの海底で、通常の50倍に当たる1キログラム当たり50ベクレルを検出したとしています。
これについて、海洋生物に詳しい東京海洋大学の石丸隆教授は「海流に乗って拡散した放射性物質を、水面近くでプランクトンなどが吸い込み、海底に堆積したとみられる。土は海水に比べ放射性物質の濃度が低下しにくく、海底の小さなエビやカニなどを食べる大型の魚に蓄積するおそれがあるので、魚介類への影響がないか広い範囲で監視を強めるべきだ」と話しています。
海底の土から放射性物質、最高で数百倍
福島第一原発の事故を受け、文部科学省が宮城県から千葉県までの広い範囲の海底の土を調査した結果、最高で通常の数百倍にあたる濃度の放射性物質を検出したと発表しました。
文部科学省は5月9日から14日にかけて、宮城県・気仙沼沖から千葉県・銚子沖までの12地点の海底の土を採取し、放射性物質の濃度を測定しました。その結果、福島第一原発の沖合およそ30キロの地点にある海底の土から、1キロあたり320ベクレルのセシウム137が検出されました。
この値は、おととしの調査と比べるとおよそ200倍にあたりますが、ほかの地点でも通常の数十倍の汚染が確認されていて、文科省は「海産物に影響が出るかどうか、安全委員会に評価してもらう」としています。(28日02:46)
海底の土から放射性物質 宮城~千葉沖、数百倍も
文部科学省は27日、宮城県気仙沼市沖から千葉県銚子市沖まで南北約300キロにわたる海底の土から、最高で通常の数百倍に当たる濃度の放射性物質を検出したと発表した。文科省は「海底も汚染されている。海水や餌を通じて海洋生物に蓄積し、海産物に影響が及ぶ恐れがある」としている。東京電力福島第1原発から海に流出した汚染水に含まれた放射性物質が、広範囲に拡散していることが裏付けられた。
9日から14日にかけ、沖合約15~50キロの12カ所で海底の土を採取。すべてから放射性物質が検出された。濃度が最も高かったのは、福島第1原発の沖合約30キロの水深126メートルの海底で、土1キログラム当たりセシウム134は260ベクレル、セシウム137は320ベクレルだった。
ほぼ同じ海域で2009年に行った調査では、セシウム134は検出されず、セシウム137は1ベクレル前後だった。
半減期が短く09年の調査で検出されなかったヨウ素131も、土1キログラム当たり1・6~6・1ベクレル検出された。
セシウムなどの分布は福島第1原発から北で比較的高く、約70キロ離れた宮城県岩沼市沖のセシウム137は110ベクレル。一方、南にほぼ同距離の茨城県北茨城市沖では12ベクレルだった。
文科省は「海底の地形や海流の影響で、放射性物質の量にばらつきがある」と説明した。
2011年05月28日土曜日
文部科学省
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海底土のモニタリング結果
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海域モニタリングの広域化について(平成23年5月6日)
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