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2011/05/28

東電=3月11~15日に敷地内で測った値の一部を未公表。 未公表データの一部は紛失

東電、放射線量を一部非公表 地震後5日間のデータ
 福島第1原発事故で、枝野幸男官房長官は27日、東京電力が同原発敷地内で地震後早い段階に測った放射線量データの一部を公表していなかったことを明らかにし、非公表の経緯や理由の徹底調査を指示した。

 東電は、未公表のデータは3月11~15日に敷地内で測った値で「特に異常なデータはない」と説明。これまで公表していた10分ごとの測定値を補完する2分ごとの放射線量などだが、詳細は28日に発表するとした。



 また、未公表データの一部は、東電が紛失したものであることも判明。経済産業省原子力安全・保安院には既に報告していたため、このほど取り寄せたという。測定時に紙にデータを書いたが、放射性物質に汚染されているため建物の外に保管し、その後なくなったという。東電の記録管理の在り方が問われそうだ。

 第1原発では地震翌日の1号機の海水注入をめぐり、一時中断したとの発表とは異なり、所長が独断で続けていたことが判明したばかり。東電の武藤栄副社長は今月26日の記者会見で、ほかに隠している情報はないとしていた。

 枝野長官は「こうしたことが繰り返されているのであれば(東電は)国民から到底信用されない。日本の原子力行政にとって深刻な事態だ」と批判。さらに「これで(情報が)すべてだという前提での対応は、とてもできない」と不信感をあらわにした。

 細野豪志首相補佐官も「事故後2カ月半経過してこうした情報が出てくるのは、タイミングが遅い」とした。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「データを整理していて、準備ができ次第、公開しようと思っていた」と釈明。ほかにも未公表のデータがないかは「確認して28日に回答する」と述べるにとどまった。

 保安院は25日に把握したという。

 第1原発には屋外8カ所に放射線量の測定装置があったが、3月11日の地震後に使えなくなり、しばらくは専用の車両などで敷地内を移動して測定していた。

2011/05/27 23:09 【共同通信】






福島第1原発:東電、線量データを一部紛失
 東京電力は27日、震災直後に測定した福島第1原発近くの放射線モニタリングデータの一部を紛失していたことを明らかにした。経済産業省原子力安全・保安院にはすでに提出していたため、東電は保安院からデータを取り寄せた。28日にも公開するが、改めて東電の情報管理の甘さが問われそうだ。

 東電によると、紛失していたのは3月11日から5日間、第1原発西側でモニタリングカーが採取したデータの一部。測定値を紙に書いていたが、紙に付着した放射性物質を除去するために外部に保管していた際、紛失したという。

 すでに公開しているモニタリングデータは10分間隔で放射線量の推移を記録しているが、紛失したデータは主に2分間隔のもので、事故初期の線量の推移が詳細に把握できるという。

 記録採取から2カ月半も経過しており、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「早期に公表すべきだったが、数値の異常がみられるものではない」と釈明。一方、海江田万里経産相は「データをなくすようなことはあってはならない」と苦言を呈した。【中西拓司】

 ◇枝野官房長官「大変怒っている」
 枝野幸男官房長官は27日の記者会見で、福島第1原発事故に関連して東京電力に未公表のデータがあったことについて「ただちにその内容を精査、整理して公表し、こうしたことがさらにないか、東電に調査させるよう細野豪志首相補佐官に指示した」と述べた。その上で「こうしたことが繰り返されては国民の皆さんから到底信用されないし、日本の原子力行政全体に深刻な事態だ。私自身、東電との関係では大変怒っている」と語った。

毎日新聞 2011年5月27日 21時55分(最終更新 5月28日 1時00分)






東電、福島第1の放射線量一部公表せず 震災直後分
情報隠し相次ぎ「深刻な事態」 官房長官
2011/5/27 21:42
 政府と東京電力による統合対策室は27日の記者会見で、東電が福島第1原子力発電所の事故直後の放射線量データの一部を公表していなかったことを明らかにした。政府もこれまで知らされていなかったという。福島第1原発では一時中断していたと説明してきた原子炉への海水注入が実は継続していたことが26日に判明したばかり。今回の放射線量は住民避難の目安になる重要なデータだけに、東電の情報開示の姿勢が改めて問われそうだ。

 東電はデータを整理した上で、非公表にした理由とともに、28日に公表する。「とくに異常なデータはない」としている。

 非公表だったのは、3月11日から15日までに福島第1原発の敷地や周辺で計測した放射線量の数値。当時、原子炉建屋内の様子が分からないなか、事故の規模や深刻度を知る数少ないデータだった。これまで10分ごとの計測値を公表してきたが、実は2分ごとに測定した数値が存在するという。

 相次ぐ「情報隠し」について枝野幸男官房長官は27日の記者会見で「国民から到底信用されない。日本の原子力行政全体にとって深刻な事態だと受け止めている」と述べた。統合対策室の事務局長を務める細野豪志首相補佐官も27日の記者会見で、東電に対し「公開していないものがほかにないか、再度確認を要請した」と述べた。

 一方、来日中の国際原子力機関(IAEAの調査団が福島第1原発を27日に訪問、現在の状況を吉田昌郎所長らが説明した。調査団は福島第1原発の1~4号機の原子炉建屋の外観や、津波の被害を免れた6号機の非常用ディーゼル発電機などを視察した。