2011年5月25日15時53分
東日本大震災の直後、東京電力福島第一原発1号機への海水注入が始まった後に一時中断された問題で、経済産業省原子力安全・保安院は25日、「準備が整いしだい海水を注入する予定」という東電からの連絡を、水素爆発直前の3月12日午後3時20分にファクスで受け取っていたことを明らかにした。
西山英彦審議官によると、海水注入の連絡は、ファクスで届いた紙の右下にある「参考情報の欄」に書かれており、「主たる連絡ではない」という。受け取った保安院の担当者がこれを読んだかどうかについては確認できないという。
西山審議官は「たくさんの紙がくるので、そこに書かれていただけでは、何か(担当者の対応などが)起こるとは考えにくい」と話した。また、ファクスを受け取った16分後に水素爆発が起きているので、保安院が連絡を認識したかどうかが「影響を与えたとは思えない」と述べた。
一方、午後7時過ぎ、実際に海水注入を始めたという連絡については、東電は「口頭で伝えた」としているが、保安院に記録はないという。