高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)原子炉容器内で8月に起きた装置落下事故は、機器の設計ミスが原因だった疑いが強まっている。万全の対策を望む声が上がる中、日本原子力研究開発機構は装置を回収して原子炉への影響を調べる予定だが、調査は長期化の可能性も出ている。
事故は、本年度の「炉心確認試験」を終えて約1カ月後の8月26日に発生。炉内に運んだ燃料を燃料交換装置に移す重さ3・3トン、全長12メートルの筒状の「炉内中継装置」が、炉内で高さ2メートルにつり上げた位置から落ちた。
装置をつり上げる器具の、ツメの部分を開閉する押し棒が回転してしまい、ツメが十分に開かなかったのが原因。ほかに14基ある同様のつり上げ器具と比べ、押し棒の回転防止策が不十分だったことが分かり、原子力機構は今月1日に公表した「中間報告」で、回転防止措置の不備が「(落下の)直接原因」とした。
2010/10/12 16:39 【共同通信】
つり上げ器具のねじに緩み もんじゅ装置落下事故
高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の原子炉容器内で起きた装置の落下事故で、日本原子力研究開発機構は6日、装置をつり上げる器具のねじの緩みが原因だったと明らかにした。県などでつくるもんじゅ総合対策会議で報告した。ねじが緩んだ原因は調査中という。
落下事故の関係機関への通報遅れについて、異常を発見した現場担当者が、プラント全体を管理する当直長に連絡せず、現場の上司に報告。現場調査に時間がかかったことが原因とした。
事故は8月26日に発生。炉内に運ばれた燃料を燃料交換装置に移す重さ約3・3トンの「炉内中継装置」が落下した。
原子力機構によると、つり上げる器具の2本のツメを開閉する押し棒が正常な位置から90度回転し、装置を十分つかめなかったことがこれまで分かっていた。その後の調査で、押し棒の位置のずれは、棒を固定するねじの緩みが原因と判明した。
2010/09/06 20:38 【共同通信】
JAEA 「もんじゅ」炉内中継装置落下関連情報
高速増殖原型炉もんじゅ燃料交換片付け作業中における炉内中継装置の落下について(10月1日 中間報告資料)