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2011/04/18

菅総理、「従来の先入観を一度すべて白紙に戻し、徹底的に検証する必要がある」

原子力行政 抜本的に見直しへ
4月18日 12時31分
菅総理大臣は、参議院予算委員会の集中審議で、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けた今後の原子力行政について、「従来の先入観を一度すべて白紙に戻し、徹底的に検証する必要がある」と述べ、安全性の確保の観点から抜本的に見直す考えを示しました。


参議院予算委員会は、18日、菅総理大臣や関係閣僚の出席を求めて東日本大震災を巡って集中審議を行っています。

この中で、菅総理大臣は、東京電力福島第一原発の事故を受けた今後の原子力行政について、「私自身、幾重かの安全な体制を組んでいるという認識で、原子力発電を肯定してきたが、そうした従来の先入観を一度すべて白紙に戻し、なぜこういう事故が起きたのか、徹底的に根本から検証する必要があると思っている」と述べ、安全性の確保の観点から抜本的に見直す考えを示しました。

さらに菅総理大臣は、原子炉建屋のプールの中に保管されている使用済み燃料の扱いについて、「最終処分地の問題も含め、しっかりとした体制がないなかで、建屋内にそのまま保管されていたことも検証の対象にしていかなければならない」と述べました。

また、菅総理大臣は、東京電力が、17日、福島第一原子力発電所の事故で、今後、6か月から9か月程度を目標に原発を安定化させ、放射性物質の外部への放出を抑えるという工程表を発表したことについて、「工程表ができるだけ早く実現できるよう政府としても、全力を挙げて東電の作業に協力したい。一緒になってやったり、逆に、しった激励して国の力でやれることはやっていくという姿勢で臨みたい」と述べ、工程表どおり、事態が収束できるよう政府としても全面的に支援する考えを示しました。

また、18日の参議院予算委員会に東京電力の清水正孝社長が参考人として出席し、「今回の福島第一原発の事故で、放射性物質を外部に放出させたことで、発電所周辺の皆さんや福島県民、また広く社会の皆さんに大変なご心配をかけていることを改めておわびしたい」と述べ、謝罪しました。