2011.4.1 20:13
厚生労働省は1日、食品衛生法の暫定基準値を上回る放射性セシウムが検出された福島県天栄(てんえい)村産の牛肉について、政府の現地対策本部が再検査した結果、放射性物質は検出されなかったと発表した。牛肉は汚染されていなかった可能性が高く、厚労省は検査の過程で何らかのミスがあった可能性もあるとみて、現地対策本部に原因究明を要請した。
牛は3月14日に同県郡山市に運ばれ、15日に食肉加工された後、加工施設の冷蔵庫に保管され、出荷されてはいない。現地対策本部が31日に検査した結果、もも肉から食品衛生法の基準値を10ベクレル上回る1キログラム当たり510ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表。 原子力安全・保安院から「検査数値に疑義がある」との指摘があり、1日に同じ牛のもも肉と背中の肉の2検体の検査を実施した結果、放射性物質は検出されなかった。
東日本大震災:福島・天栄村の牛肉、放射性物質検出されず 再検査で判明
厚生労働省は1日、3月31日に「福島県天栄(てんえい)村産の牛肉から食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムを検出した」と発表した件について、再検査を実施した結果、放射性物質は検出されなかったことを明らかにした。
厚労省は、この牛肉は放射性物質に汚染されていなかったとの認識を示し「2回の検査でなぜ異なる結果が出たのか、検査過程に問題がなかったかどうかを含めて調査したい」と説明した。
同省によると、この牛は3月15日に食肉処理され、国と県が30日にもも肉1検体を検査したところ、放射性セシウムが、暫定規制値を10ベクレル超える1キログラム当たり510ベクレルが検出された。しかし、同県内の他の地域の牛肉などからは検出されなかったため、改めて同じ牛のもも肉と背中の肉の計2検体を検査したところ、今度は放射性物質は検出されなかった。【佐々木洋】
◇村長「ひどい扱い」 抗議文提出へ
天栄村の兼子司(まもる)村長(64)は取材に対し「最初の検出の時も今回も、村には何の連絡もなく取材を受けて初めて知った。当事者なのにあまりにひどい扱いだ。数字が独り歩きしてしまうので、国は再検査が終わるまで公表すべきではなかった」と話した。風評被害を招いたとして、近く国や県に抗議文を提出するという。
◇専門家「慎重に広報を」
日本動物高度医療センターの夏堀雅宏放射線科長(獣医放射線学)は「そもそも3月15日に処理された肉ならば、牛が体内に取り込み肉が汚染されたとは考えにくく、食肉処理場で浮遊していたものが表面に付いた可能性などを考えるべきではなかったか。食品の放射性物質の検査結果を巡っては風評被害が広がったり自殺者が出るなど、人命にかかわる状況になっている。もう少し慎重に計測し広報すべきだ」と話す。
毎日新聞 2011年4月2日 東京朝刊
牛肉から放射性物質 再検査へ4月1日 4時46分
先月15日に加工された福島県産の牛肉から、国の暫定基準値を僅かに超える放射性セシウムが検出されました。食肉から基準値を超える放射性物質が検出されるのは初めてですが、ほかの地域からは検出されていないことなどから、厚生労働省は、念のため、1日に改めて検査することにしています。
厚生労働省によりますと、放射性セシウムが検出されたのは福島県天栄村で飼育されていた牛のもも肉で、先月30日の検査で、国の暫定基準値の1キログラム当たり500ベクレルを僅かに上回る510ベクレルが検出されました。
この牛は、先月15日に食肉に加工されたあと、郡山市の食肉加工センターの冷蔵庫で保管されていたため、これまで市場には流通していないということです。
厚生労働省は「検出された数値は、基準値を僅かに上回るもので、食べても健康に影響を及ぼすことはない」としたうえで、ほかの地域の食肉からは検出されていないことなどから、念のため、1日に同じ牛の肉を改めて検査することにしています。
このほか先月30日に、茨城、栃木、千葉の3県で採取された野菜からも基準値を超える放射性物質が検出されました。このうち、▽茨城県では日立市で採取された、ほうれんそうからは放射性ヨウ素が国の暫定基準値の4倍以上となる8300ベクレル検出されたほか、高萩市と常陸太田市、守谷市、茨城町でそれぞれ採取された、ほうれんそう、それに鉾田市から採取されたほうれんそうとパセリからも基準値を超える放射性物質が検出されました。
また、▽千葉県では旭市産の春菊とパセリ、それに香取市産のほうれんそう、さらに、栃木県では上三川町産のほうれんそうからも基準値を超える放射性物質が検出されました。厚生労働省は「いずれも健康に影響を及ぼす値ではない」としていますが、これらの野菜は、すでに政府が出荷制限を行ったり、出荷の自粛が行われたりしているため、市場には流通していないということです。
放射性物質検出問題 福島・天栄村で生産された牛肉から基準値超の放射性物質
福島・天栄(てんえい)村の牛肉から、国の基準値を超える放射性物質が検出された。
国は1日、この牛肉を再検査することにしている。
福島県によると、国が福島県内で牛肉の放射性物質の濃度を検査したところ、天栄村で生産された牛肉から、国の基準値を超える放射線セシウムが検出された。
この牛肉は、3月14日に郡山市の食肉加工場に搬入され、3月15日に加工されたものだという。
福島県では、このサンプルだけ極端に放射性物質の値が高いことから、1日に再度、国が検査を行い、今後の対応を決めるとしている。
この牛肉は、出荷されていないという。
(04/01 06:12 福島テレビ)