2011.4.9 00:01
福島県は8日夜、福島第1原発事故を受けて、7日に実施した原乳の緊急時モニタリング検査(4回目)で、放射性ヨウ素、セシウムが暫定基準値を上回った検体はなかったと発表した。
県によると、今回から検査方法を改め、前回(3月29日)に暫定基準値を下回った市町村の原乳は戸別検査をせず、県内10の乳業メーカーなどが、他の市町村産と混ぜた後の原乳で測定した。
県は、約1週間後に予定する次回検査で、基準値を上回らなければ、国と調整して出荷制限を解除していく構えだ。
群馬産2品の出荷停止解除 「会津」原乳も
2011年4月9日 朝刊
政府は八日、福島第一原発の放射能漏れ事故を受け、食品衛生法上の暫定規制値に基づき実施した福島県会津地域七市町の原乳と群馬県産のホウレンソウとカキナの出荷停止を解除した。三月二十一日から始まった農産物の出荷停止の解除は全国で初めて。
原乳の出荷停止解除は喜多方市、下郷町、磐梯町、猪苗代町、会津美里町、三島町、南会津町。
出荷停止は当初、一カ所で規制値を超えた農産物が出ると、同じ品目についてはその都道府県全域が対象だった。生産者からの反発を受け、政府は今月四日、対象地域を都道府県内の地域ごとに設定・解除できるルールに変更。福島、群馬両県は新ルールに基づき政府に解除申請した。
会津地域の原乳は当初から規制値以下だった。群馬県のホウレンソウは伊勢崎市で、カキナは高崎市で、いずれも当初は規制値を超えたが、その後は下回った。
群馬のホウレンソウなど、出荷停止を解除
2011年4月8日23時15分
菅内閣は8日、食品衛生法の基準を超える放射性物質が検出され、原災法で出荷停止を指示していた群馬県産のホウレンソウとかき菜、福島県会津地方の原乳(搾ったままの牛の乳)について、指示を解除した。
解除は、3月21日に福島など4県の葉物野菜や同県産の原乳の出荷を停止してから初めて。
政府は今月4日、3回続けて基準を下回れば制限を解除するというルールを設定。群馬県では3月19日に採取されたホウレンソウとかき菜計3検体が基準を超えたが、今月8日までの3回の検査で基準を下回った。
福島県の原乳は、3月18日以降の検査で、いわき市など原発に近い地域を中心に基準を超えた。しかし県西部の会津地方の1市6町では基準を超えず、その後も下回った。政府はルール設定時、都道府県単位でなく、市町村などより細かい単位で停止や解除ができると定めていた。
8日現在、福島県全域での葉物野菜などや、茨城、栃木両県全域と千葉県の一部でホウレンソウなどが出荷を制限されている。(大谷聡)