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2011/04/12

「大震災で東日本の地盤にかかる力が大きく変化し、様々なタイプの地震が起こりやすくなっている。今後もM7クラスに注意が必要」=気象庁

震源の南、M5以上多発「地盤への力が変化」




 マグニチュード(M)9・0の東日本大震災から1か月が経過したが、震源域やその周辺では、余震や誘発地震が活発な状態が続いている。特に震源の北側よりも南側でM5以上の地震が多い傾向がある。

 12日には長野県北部でM5・6、千葉県東方沖でM6・4の地震が発生。11日には福島県東部でM7・0が起きており、気象庁は「大震災で東日本の地盤にかかる力が大きく変化し、様々なタイプの地震が起こりやすくなっている。今後もM7クラスに注意が必要」と警戒を呼びかけている。

 長野県北部では3月12日にも、今回の震源から北20キロでM6・7が起きた。元々ひずみが集中している場所だが、大震災によって地盤を圧縮する力が強まり、12日以降に震度1以上を430回観測している。

 一方、千葉県東方沖は大震災の余震域の南限で、東日本がのった陸のプレート(岩板)の下に、太平洋プレートとフィリピン海プレートがそれぞれもぐり込み、ぶつかる境目。今回の地震は、陸のプレートの内部で断層がずれた。

(2011年4月12日13時17分 読売新聞)







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東日本大震災:地殻均衡崩れ各地で地震活動誘発 
2011年4月12日 20時18分 更新:4月12日 20時29分

 東日本大震災の余震域の内外で、地震活動が活発な状態が続いている。本震から1カ月の11日には、福島県浜通りを震源とするマグニチュード(M)7.0の地震が発生。福島県浜通りから茨城県北部の地域は83年以降、M4以上の地震がない“空白域”だったが、11日の地震から1日間で最大震度4以上の地震が13回発生するなど、一転して地震の多発地帯となっている。

 大震災発生後に国土地理院が全地球測位システム(GPS)を使って実施した観測によると、東日本各地で非常に大きな地殻変動がみられた。気象庁の長谷川洋平・地震情報企画官は「M9.0という規模の大きな本震によって、地殻にかかる力のバランスが崩れたことで、東日本のあちこちで地震活動が活発化している。福島県浜通りから茨城県北部も地震活動が活発化した地域の一つ。本震の影響を強く受けた地域でもあり、地震の活動度が高い状況がしばらく続くという印象を持っている」と説明する。

 12日には、地殻のひずみが集中する地域と考えられる長野県北部や、大震災の余震域の南端の千葉県東方沖でも最大震度5弱の強い地震が発生。気象庁は12日、12日午後3時から6日間以内にM7以上の余震が発生する確率を10%と発表した。地震調査委員会は「余震域周辺の海域でも、M7~8程度の地震が誘発される可能性がある」との見解を出しており、東日本全体で大きな地震に対する警戒が必要となっている。【飯田和樹】