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2011/04/06

気象庁、放射能性物質の拡散予測を公表

気象庁



【原発】放射性物質の拡散予測を初公表 気象庁(04/06 05:50)






 気象庁は5日、福島第一原発から出た放射性物質が風に乗ってどのように広がるかを計算した図を初めて公表しました。

 公表されたのは、放射性物質が大気の流れに沿ってどのように流されるかを示したものや雨や風で放射性物質が地表に落ちてくる量を計算したものなどです。気象庁は、計算が100キロ四方ごとで細かくないことから住民が避難する際の判断材料として利用できず、混乱を招く可能性があるとしてこれまで公表していませんでした。一方、気象庁は、IAEA=世界原子力機関に対しては、東日本大震災が発生してから24回にわたって福島第一原発からの放射性物質の広がりを計算した内容を報告していました。








放射性物質:拡散予測を公表…IAEA仮定条件データに
 気象庁は5日、東京電力福島第1原発の事故を受けて、国際原子力機関(IAEA)に提供している放射性物質の拡散予測を公表した。枝野幸男官房長官の指示を受けた対応だが、より詳細な政府の予測システム「SPEEDI」の情報は、1度公開されて以降は非公表というちぐはぐな対応となっている。

 気象庁は、世界気象機関(WMO)が86年のチェルノブイリ原発事故を受けて作った枠組みに基づき、事故直後から4日までに計23回、IAEAに情報提供した。予測の基になるデータは放射性物質放出の実測値でなく、IAEAが示す仮定の条件を使っている。

 同庁は「予測は周辺国への影響を調べるためのもの。100キロ四方ごとに計算した大ざっぱなもので、国内の原子力防災に利用できるものではないと考えている」と説明する。

 気象庁は今後、予測を不定期に同庁ホームページに掲載するが、「実態を表したものではないので注意してほしい」としている。【飯田和樹】

毎日新聞 2011年4月5日 20時27分(最終更新 4月5日 23時20分)







見ちゃイヤ~ン…気象庁HP「放射能予報」苦情殺到のワケ
2011.04.07
 福島原発事故で世界中が気にしている放射性物質の拡散予測。これまでドイツやノルウェーなど海外の気象関連部局が公表してきたが、慎重だった日本政府も国民からの批判を浴びてやっと5日夜から気象庁ホームページ(HP)で公表に踏み切った。だが、お目当ての予測ページを探すのは至難の業で、「どこで掲載しているのか」と不満が殺到するトホホぶりとなった。

 気象庁は原発事故以来、国際原子力機関(IAEA)に放射性物質の拡散予測を報告していたが、公表は控えていた。枝野幸男官房長官が4日の会見で「隠すべき情報ではなかった」と陳謝したことで公表を始めた。その報道を受けて多くの人が気象庁のHPにアクセスしたが、「どこに載っているのか教えて欲しい!」とネット掲示板などに書き込みが相次ぐ事態となった。

 というのも、HPのトップページから、お目当てのページにリンクが張られておらず、“放射性物質”や“拡散予測”といった、普通の市民がキーワードとするような単語すら掲載されていなかったからだ。

 たどり着くには、なんと「気象等の知識」という、全然関連性のなさそうなタブをクリックし、さらに「気象業務の国際協力と世界への貢献」をクリックして現れるページの下部に記載されている、「環境緊急対応(EER)地区特別気象センター(RSMC)業務及び提供資料」というリンクをクリックする必要があった。このような“深層公開”では、予備知識なしで探し当てるのは無理だ。しかも、そこで見られるのは、ドイツ気象局のようなカラーで見やすい図ではなくモノクロのコピー写真。しかも一部を除いて英語という不親切ぶりだ。

 ネットの掲示板には「分からなかったから気象庁に電話して聞いたけど、それでも分かりづらかった」と不満を訴える書き込みもあった。

 そもそも気象庁は、公表した予測の基礎となる放射性物質の放出量は実態を反映していないといい、「国内の防災対策に適切なデータではない」と説明してきた。要は、あまり国民に知らせたくないようだが、これでは“お役所仕事”の典型だ。

 気象庁は7日、ようやくトップページからダイレクトに拡散予測の資料を見られるリンクを張ったが、「国際原子力機関(IAEA)に提供した予測情報について」と、難しい言い回しはそのままだ。

 ただこれでも、国内の正式な拡散予測と位置付けられていながら、3月23日に予測結果を一度公表しただけの、文部科学省の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」にくらべると、まだましか。










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