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2011/04/13

小沢一郎元代表、「北辰会」メンバーに菅政権を厳しく批判する所感をまとめたペーパーを配布。 鳩山氏は連名での文書作成に応じず。

無責任内閣の対応、さらなる災禍も…小沢氏所感
 民主党の小沢一郎元代表は13日、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故への菅政権の対応を厳しく批判する所感をまとめ、元代表を支持する議員グループ「北辰会」のメンバーに配布した。

 所感は12日の鳩山前首相との会談を踏まえたもので、「初動対応の遅れをはじめ、菅首相自身のリーダーシップが見えないままの無責任な内閣の対応は、さらなる災禍を招きかねない」などと指摘。10日の統一地方選前半戦の敗北についても、「国民から菅政権への警告」と断じ、「政治家が最後に責任を取る覚悟」の必要性を強調した。

 元代表側は当初、鳩山氏との「共同声明」として発表することを検討したが、鳩山氏側が「共同声明にする必要はない」と難色を示したという。

(2011年4月13日20時18分 読売新聞)





小沢氏の見解
 民主党の小沢一郎元代表が13日にまとめた見解の全文は次の通り。

 今回の大震災で大変な被害に遭われた方たちは、菅政権に対して、「本当にわれわれの暮らしとふるさとを復活させてくれるのか」と強い不安を抱いていると思います。

 地震、津波による被災者の方々への対応は遅々として進んでいません。また、福島第1原発の初動対応の遅れをはじめ、菅直人首相自身のリーダーシップの見えないままの無責任な内閣の対応は、今後、さらなる災禍を招きかねない状況となっています。

 政治家が最後に責任を取る覚悟を持てないのであれば、何のための政権交代だったのか。統一地方選挙の前半戦での大敗は、国民からの菅政権への警告であると強く受け止めています。(2011/04/13-16:30)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041300686





「菅降ろし」再燃=小沢氏、首相批判を解禁-民主
 民主党の小沢一郎元代表が13日、東日本大震災への菅直人首相の対応を「無責任」と断じる見解をまとめ、震災発生以降は控えていた首相批判に踏み切った。危機管理が問われた10日の統一地方選前半戦で同党が惨敗したことが背景にあり、いったん沈静化していた党内の「菅降ろし」の動きが再び強まる可能性も出てきた。

 「福島第1原発事故で収束の見通しが立たないのは考えられない。今の政権でいいのか」。小沢氏は13日夜、都内の自宅に自らに近い中堅・若手約20人を招き、政権への不信感をぶちまけた。小沢氏は同日、「(菅政権下では)さらなる災禍を招きかねない」などとした見解を打ち出しており、同氏周辺は「『辞めろ』と言っているのに等しい」と事実上の首相退陣要求だと強調した。

 統一地方選前半戦の敗北を受け、小沢氏周辺からは首相の辞任を求める声が出ている。13日は原口一博前総務相が都内で講演し、「(統一地方選で)負けたのに責任を取らないのでは党は成り立たない」と首相や岡田克也幹事長の責任に言及。小沢氏と距離を置くベテランも「『菅首相では駄目だ』と言ってくる人が多い」と語っており、首相への不満は確実に拡大している。

 ただ、首相が退陣要求に応じると見る向きは民主党内にもほとんどない。首相は震災復興を名目に、自民党との「大連立」を含む野党との連携をなお模索しており、子ども手当など衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた主要政策の見直しも視野に入れる。

 「政治とカネ」に絡んで党員資格停止処分を受けた小沢氏には、首相が野党の協力を取り付けて「延命」に成功すれば、表舞台への復帰が遠のくとの焦りもあるようだ。

 もっとも、被災地ではがれきの撤去や仮設住宅の建設が続いており、当面の復旧対策のための2011年度第1次補正予算案の成立が急がれる状況だ。こうした中での退陣要求は「国民不在の権力闘争」として、世論の批判を浴びかねない。

 小沢氏は12日、鳩山由紀夫前首相と会談し、連名で首相批判の文書をまとめ、発表しようと提案。だが、鳩山氏は「政府の震災対応は遅すぎる」という認識では足並みをそろえたものの、連名での文書作成には応じなかった。(2011/04/13-21:40)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041300931