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2011/04/23

シーバーフが前面に出れば「日本は危険だ」との風評を広げてしまうのではないかと強く懸念するなど、双方の思惑に溝があった

防衛相、米軍の放射能専門部隊に謝意 出番ないまま帰国へ
2011/4/23 20:17
 北沢俊美防衛相は23日、東京都福生市などにまたがる米軍横田基地を訪れ、東京電力福島第1原子力発電所での緊急事態に備えて来日している米海兵隊の専門部隊「CBIRF(シーバーフ=特殊兵器事態対処部隊)」と陸上自衛隊の中央特殊武器防護隊との訓練を視察した。

 CBIRFは近く米国に帰国する予定で、防衛相は「放射能対処を専門とする米軍の最精鋭部隊が横田基地に常駐し、自衛隊と演習を深めてきたことはわが国の国民に大きな安心感を与えた」と述べ、謝意を示した。


 同日は放射性物質の除染作業を中心に訓練を実施した。CBIRFは放射能濃度が極めて高い危険地域での人命救助、除染、応急医療に優れた能力を持つ。5日までに約150人が来日した。

 日米間でこれまでに緊急時の連携要領をまとめた。原発事故は依然予断を許さない状況だが、当初に懸念された新たな水素爆発など来日後に大きな事故は発生せず、今回は出番はなかった。ただ、帰国後も不測の事態に備え、再び日本に戻ってきても事故に即応できるような態勢を維持する。






米軍放射能部隊が帰国へ…自衛隊との連携にメド
 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて来日した米海兵隊放射能等対処専門部隊(CBIRF)約150人が一両日中にも帰国することになった。

 大規模な放射能漏れなどの緊急事態発生の恐れが当面は低下したと判断したためだ。約3週間の滞在中、自衛隊との共同訓練などを行い、今後想定される緊急事態の日米連携にメドを付けた。

 北沢防衛相は23日、CBIRFの離日を前に、東京・米軍横田基地で、陸自中央特殊武器防護隊との共同訓練を視察した。訓練は、放射能漏れ事故現場からの人命救助や、体の放射性物質を洗い落とす「除染」などを想定したものだった。

 防衛相は視察後、CBIRF隊員らを前にしたあいさつで、「今日ほど日本国民が米国が同盟国であることを心強く感じたことはない」と強調。「いざという時は日本に駆けつける態勢を引き続き組んでもらうことはありがたい」と今後の支援にも期待を示した。

(2011年4月23日21時53分 読売新聞)


防衛相 米軍原発専門部隊に謝意
4月23日 13時31分
北澤防衛大臣は、東京電力福島第一原子力発電所の事故対応を支援するため派遣されたアメリカ軍の専門部隊の拠点となっている東京の横田基地を訪れ、「アメリカ軍の精鋭部隊が常駐したことが日本国民に安心感を与えた」と述べ、感謝の意を伝えました。

福島第一原発の事故対応を支援するため、アメリカ軍は専門部隊およそ150人を日本に派遣し、東京の横田基地を拠点に、自衛隊と訓練を重ねながら緊急事態に備えていましたが、原発の状況が事故発生当初より安定化してきているとして、近く帰国することになりました。

これを前に、23日、北澤防衛大臣が横田基地を訪れ、アメリカ軍と自衛隊の部隊が合同で放射性物質を洗い流す「除染」の訓練をしている様子を視察しました。

そして、北澤大臣は隊員を前にあいさつし、「今回、幸いにも原発の現場に出動することはなかったが、アメリカ軍の精鋭部隊が常駐したことが、日本国民に安心感を与えてくれた」と述べ、感謝の意を伝えました。

そのうえで、北澤大臣は「帰国したあとも、いざという時には、また日本に駆けつける態勢を組んでもらっているが、そういうことが発生しないように最大限の努力をしたい」と述べました。




【原発】米軍「放射能部隊」実質活動せず帰国へ(04/23 11:47)
 福島第一原発の事故の対応のためアメリカが派遣した原子力対策の専門部隊「シーバーフ」が、実質的な活動を行わないまま、来週にも帰国することになりました。

 日米で協力して除染訓練を行う様子を視察した北沢防衛大臣は、今回の派遣に対して繰り返し感謝の言葉を述べました。

 北沢防衛大臣:「放射線対処を専門とする米軍の最精鋭部隊が横田基地に常駐して自衛隊との演習を深めてきたことは、我が国の国民に非常に大きな安心感を与えた」

 しかし、感謝の言葉とは裏腹にシーバーフの活動をめぐっては、日米両政府で複雑な駆け引きがありました。関係者によれば、アメリカ側は原子力災害に対する「実践訓練や情報収集」が本来の目的だったということです。

一方の日本側は、シーバーフが前面に出れば「日本は危険だ」との風評を広げてしまうのではないかと強く懸念するなど、双方の思惑に溝があったからです。結果として、部隊は実質的な活動はないまま東京の横田基地にとどまり、帰国を迎えることになりました。今回のシーバーフをめぐる対応は、友好ムードの裏側で日米の国益がぶつかり合っている事実を示したものとなりました。







毎日新聞 2011年4月10日 12時23分
 政府関係者によると、報告を受けた首相は15日午前4時過ぎ、東電の清水正孝社長を官邸に呼んだ。「退くのか」と問う首相に清水氏は否定したが、首相は説明を信じられず東電本店を急襲。「撤退などあり得ない。日本がつぶれる」とクギを刺し、政府との統合本部を東電に設置。細野氏に常駐を命じた。首相を迎えた東電社員は「激励に来てくれると喜んでいたら、怒鳴られてすごいショックを受けた」と落胆を隠さなかった。

 自民党は「総大将自ら刀を持って外に行くのは最悪」(脇雅史参院国対委員長)と批判したが、首相は後に「放置したら原子炉が溶解し、アメリカが(原発を)占領しに来るぞ」と周辺に漏らしている。