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2011/04/04

昨年10月に「原子力安全基盤機構(JNES)」が電源喪失した場合の研究報告を作成

「電源喪失で容器破損」東電報告書検討せず
 東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。

 東電は報告書の内容を知りながら、電源喪失対策を検討していなかったことを認めている。


 国は2006年に「原発耐震設計審査指針」を改定し、地震の想定規模を引き上げた。これを受け、国の委託で原発の安全研究に取り組む基盤機構が、09年度から様々な地震被害を想定した研究を始めた。

 1970年前後に開発された、2、3号機の型の沸騰水型原発(出力80万キロ・ワット)については、地震で電源喪失した場合、原子炉内の温度や水位、圧力などがどう変化するかを計算した。

 その結果、3時間40分後には圧力容器内の圧力が上がって容器が破損し、炉心の核燃料棒も損傷。格納容器も高圧に耐えきれず、6時間50分後に破損して、燃料棒から溶け出した放射性物質が外部へ漏れるとした。

(2011年4月4日03時08分 読売新聞)






原子力安全基盤機構【ゲンシリョクアンゼンキバンキコウ】
原子力発電所や核燃料サイクル施設などの原子力施設の安全確保に関する専門的・基盤的な業務を、原子力安全・保安院と連携して行う経済産業省所管の独立行政法人。平成15年(2003)発足。JNES(Japan Nuclear Energy Safety Organization)。