【ワシントン時事】米エネルギー省は20日までに、東京電力福島第1原発の周辺地域に1年間とどまった場合に受ける積算放射線量の予測図を発表した。それによると、日本政府が計画的避難区域の基準とする1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超える恐れがある地域は、原発から北西方向に30キロを超えて広がっている。
また、米国が自国民に避難を勧告している半径80キロ圏内の広い地域で、1年間とどまった場合には積算で1~5ミリシーベルトの放射線量を浴びることになるとの推計を示した。
予測図は、屋内で過ごした場合の線量の減少を考慮しないという仮定の下で計算されており、実際の被ばく線量はこれより少なくなるとみられる。334時間を超える航空観測などにより504件の大気サンプルを収集したほか、約15万件に及ぶ地上での計測値を基に推計した。(2011/04/21-15:14)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011042100560
Radiation Monitoring Data from Fukushima Area 04/18/2011
First Year Dose Estimate
http://www.slideshare.net/energy/radiation-monitoring-data-from-fukushima-area-04182011
米エネルギー省、福島第1原発周辺地域に1年間とどまった場合の被ばく線量予測図を発表
アメリカのエネルギー省は、19日までに、福島第1原発の周辺地域に1年間とどまった場合の被ばく線量の予測図を発表した。
予測図の赤い部分は、1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがある地域で、福島第1原発から北西方向に、30kmを超えて広がり、計画的避難区域に指定された飯館村が、ほぼ含まれる。
さらに、黄色の部分は10~20ミリシーベルト、黄緑は5~10ミリシーベルト、青い部分は1~5ミリシーベルトの積算量を示していて、半径80kmに達している。
予測図は、3月16日から航空機で、500カ所以上の大気のサンプルを分析したデータをもとに、人が屋内にいても被ばく量は減少しないと仮定して計算されている。
(04/20 20:14)
東日本大震災:福島第1原発事故 米が推計の累積被ばく線量公表 日本より精緻な分析
◇80キロ圏内で年1ミリシーベルト超え
【ワシントン海保真人】米エネルギー省は、東京電力福島第1原発の周辺地域で事故後1年間に受ける推計の累積被ばく線量の予測図を発表した。推計では、日本政府が「計画的避難区域」の基準とした年間被ばく線量20ミリシーベルトの範囲が、原発から半径30キロ圏を超えて北西方向に40~50キロ程度まで広がっており、先に日本政府が示した汚染拡大の予測とほぼ同じ内容となった。一方、30キロから米国が自国民に退避を求めた80キロまでの広範囲で、平常時の人工的被ばく限度1ミリシーベルトを超える恐れがあることを示している。
同省に属する国家核安全保障局による18日付の評価結果として発表した。予測図によると福島第1原発から北西へ50キロ近い地点にかけて、1年間とどまり退避しなかった場合、20ミリシーベルトかそれ以上の累積線量を受けると推計される。屋内でも浴びる放射線量は減少しないという仮定の下で推計。1日24時間を屋外で過ごしたという計算と同じことになる。
日本政府が公表した予測図には、20キロ圏内の累積線量値や1~10ミリシーベルトの低線量の被ばく範囲は示されておらず、米側の方が精緻な内容だ。
米国は福島の事故を巡り、大気収集機「コンスタントフェニックス」や無人機「グローバルホーク」を派遣するなど、最新機材で独自に情報収集してきた。今回の予測図は、航空機材による計334時間の飛行観測▽日米当局の約15万件の地上での計測値▽大気収集機などでの504件の大気サンプルの収集データ--に基づくもの。
同省はまた、17日までの計測の結果、放射線のレベルは引き続き低減しているが、原発の周囲の数百キロ四方で水や土壌を含む農業にかかわる監視が必要だとしている。
毎日新聞 2011年4月21日 東京朝刊