2011/3/20 4:17
【ロンドン=岐部秀光】国際原子力機関(IAEA)は19日、「日本政府が福島県産のすべての食品の販売を停止するよう命じた」との誤った情報を発表、後に訂正した。福島県では東京電力福島第1原発の事故の影響で、採取された原乳から厚生労働省が定める暫定基準値を上回る放射能を検出した。検出された食品は出荷できないが、政府は「直ちに健康には影響しない」として冷静な対応を求めていた。
IAEA当局者は同日の記者会見で、日本からもたらされた情報の誤訳があったと説明した。「販売停止の可能性についての調査が行われている」と述べた。
IAEAが誤情報「福島県産の食品販売禁止」と
【ウィーン=佐藤昌宏】国際原子力機関(IAEA)は19日、福島第一原発の事故にからむ食品のサンプル調査で、福島県内の牛乳と茨城県内のホウレンソウから食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素などの放射性物質が検出されたことについて、「日本の厚生労働省は福島県産の全ての食料品の販売停止を命じた」との誤った情報を発表した。
IAEAの勇み足とみられ、天野之弥事務局長が日本を訪問して正確な情報の提供を求めたIAEAに情報収集の混乱があることを示している。海外の通信社やテレビの中には発表を速報したところも多い。
(2011年3月20日00時52分 読売新聞)