3月23日 6時56分
フランス政府は、福島第一原子力発電所周辺での作業を支援するため、新たに放射線を測定する専門の車両や発電機、それに防護服などを日本に送りました。
今回送られるのは、放射線量を測定する専門の車両3台をはじめ、発電機5台、さらに線量計や防護服、マスクなどです。
また、このほかに被災者への支援として、500ミリリットルの飲料水15万本や毛布7000枚、インスタントのスープなども含まれ、あわせておよそ150トンに上っています。
これらの支援を載せた貨物機は、22日、フランスを出発し、25日にも日本に到着する見通しです。フランスはアメリカに次ぐ世界第2の原発保有国で、25年前に旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故以降、大規模な事故に備えた準備を進めてきており、すでに先週も福島第一原子力発電所周辺での作業を支援する物資を送っています。
フランスから日本に追加支援
2011年3月11日に日本を襲った激しい地震を受け、フランスは日本に対する支援を強化し、大規模な技術・人道支援物資の輸送を決定しました。
技術支援は、アレヴァ(仏原子力大手)、フランス電力公社(EDF)、フランス原子力庁(CEA)で構成されるINTRA(原子力事故ロボット工学的介入経済利益団体)により提供されます。輸送物資は以下のとおりです。
放射線防護および放射線量計測装備30トン
大気モニタリング用トレーラー1台および環境放射線測定用トラック3台
排水ポンプ10台、可動空気圧縮機5台、自家発電機5台
人道支援はフランス外務・ヨーロッパ問題省の危機対策センターより提供され、輸送物資は以下のとおりです。
毛布 7,000枚
ミネラルウォーター 10万本
酸素マスク 100万台
缶詰の果物 5トン
乾燥スープ 5万食
アルコール消毒液 10万ボトル
医薬品・医療関連品 5トン
以上に列挙した大量の支援物資は大型輸送機アントノフAn-225に搭載され、火曜日にフランスのシャトールー空港を出発予定です。貨物の総重量は150トン、総量は1,100㎥に及びます。
日本到着後の支援物資の分配は、現地に派遣されているフランス市民安全部隊の2隊が行います。ユーロコプター社はヘリコプター2機を提供し、この分配作業を支援します。
Service de Communication et d’Information (3月22日)
防護服1万着日本に送付 仏アレバと電力公社
2011/3/18 8:42
【パリ=古谷茂久】フランス外務省は17日、仏原子力大手アレバと仏電力公社(EDF)が同日、日本向けに放射線防護服などの物資を送ったと発表した。仏は電力の約8割近くを原子力に頼っており、この分野で高い技術と経験をもつ。EDFは専門家の派遣も準備しているという。
日本向けに送付したのは防護服1万着のほか、核分裂反応を抑えるホウ酸100トン、防護手袋2万組、防護マスク3千個など。政府の核安全局も日本にヨード剤を送る予定だ。関東地方には約7千人の仏人が住んでいたが、すでに本国や西日本などに退避しており現在は約3千人がとどまっている。