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2011/03/12

200~300人以上の遺体が見つかった仙台市若林区では同日午前8時半すぎ、1・5メートルの津波が陸に向かっているとの情報が入り、救助隊員らが安全な場所まで退避

津波やまず…仙台市若林区の遺体発見現場でも作業難航
東日本大震災

 東北地方の沿岸各地は東日本大地震の発生から一夜明けた12日も津波が相次いで観測され、二次被害を防ぐため被災者の救助作業は難航している。

 11日午後3時前に津波第1波を観測した宮城県気仙沼市は12日にかけて複数回、津波が到達。大規模な火災が発生している中で救助隊員らは懸命に作業を続けたが、防災無線で津波が近づくと救助はそのたびに中断した。

 200~300人以上の遺体が見つかった仙台市若林区では同日午前8時半すぎ、1・5メートルの津波が陸に向かっているとの情報が入り、救助隊員らが安全な場所まで退避する場面もあった。

 家屋が水没している地域では、がれきなどがあるため、ボートを使っての救助がままならない。宮城県多賀城市の地元消防署員は「本当に厳しい状況だ。被害の全容もつかめない」と話した。今後、海水が引いても、救助車両が通行できない可能性がある。

 福島県南相馬市小高区の集落や、宮城県南三陸町の志津川高校で500人など各地で多くの人が孤立した状態となったが、支援の遅れがち。救助関係者はヘリコプターで一人ずつ引き揚げる作業を続けた。
[ 2011年3月12日 12:26 ]