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2011/03/18

約25分後、高さ6メートルを超える破壊的な第2波が沿岸を襲った

津波第2波が壊滅的被害もたらす 東大地震研が再現「速く大きく…」
2011.3.18 18:44
 東日本大震災の巨大津波は、地震発生の25分後に到達した第2波から壊滅的な被害が始まった可能性が高いことが、東京大学地震研究所の古村孝志教授らの再現シミュレーションで分かった。津波エネルギーのすさまじさがシミュレーションでも裏付けられ、古村教授は「とにかく速くて大きく、想定とかけ離れている」と語った。


 津波を起こした巨大地震=マグニチュード(M)9・0=の震源域を、南北500キロ、東西250キロと想定。震源域が17メートル動いたとしてシミュレーションすると、海面が最大7メートル盛り上がった。古村教授は「宮城県沖地震の連動型で想定していたM8だと、海面の隆起はせいぜい1メートル」と驚きを隠さない。

 高さ約2メートルの第1波が東北沿岸に到達。続いて約25分後、高さ6メートルを超える破壊的な第2波が沿岸を襲った。海岸までの距離は数十~100キロ程度なので、第1波は時速300キロ以上の猛スピードで押し寄せた計算になる。

 シミュレーションでは、三陸海岸で入り江の最奥部に向かって津波が増幅していく様子や、岩手県から福島県にかけての海岸ではね返った波が、仙台湾に吸収される現象が再現された。

 古村教授は「今回の地震と津波は800~1千年に1回のレベルで、数十年から数百年の周期に基づく従来の想定をはるかに超えている。防災対策の見直しを考えなければならないだろう」と話している。