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2011/03/25

自動車メーカー各社の東日本大震災による生産への影響台数は計30万台超

自動車各社、震災後の四輪車生産停止の影響は30万台超に
2011年 03月 25日 17:51 JST


[東京 25日 ロイター] 乗用車メーカー8社は25日、2月の生産・輸出実績を発表するとともに東日本大震災による生産への影響台数を明らかにした。精査したうえで公表するとした日産自動車を除く7社の合計は30万台超となる。

 各社は11日の東日本大震災の影響で、国内で四輪車生産の停止を余儀なくされている。一部、在庫部品などを活用して組立を行ったメーカーもあるが、いずれも本格操業には至っていない。

 トヨタ自動車は震災の影響で、14日から26日まで国内すべての車両工場で生産停止を継続する。生産に対する影響は約14万台としている。28日から「プリウス」など人気のハイブリッド車(HV)3車種の生産を再開するが、ほかの車種については未定だ。

 ホンダも14日から4月3日まで四輪車生産の停止を継続する。生産への影響台数は4万6600台という。

 富士重工業は震災直後の11日から28日まで生産停止を継続し、影響は2万3000台としている。

 地震後に在庫部品を活用して一時生産を再開したメーカーも、本格的な操業には至っていない。

 25日までにスズキは3万2000台程度、マツダは約3万1000台程度の影響があったほか、三菱自動車は地震後から26日までに1万5000台、ダイハツ工業は29日までにダイハツ車(トヨタからの委託生産車を除く)で約2万7000台の影響がある見通しという。

  日産自は九州工場などを一時稼働させたものの、基本的には地震の影響で11日から20日まで四輪車の生産をストップしていた。今回の地震の影響は精査したうえで公表するとしたが、昨年3月の1稼働日あたりの生産台数は約4343台としている。  


 <2月の国内生産は6社が前年同月比マイナス>
 各社の2月の生産・輸出実績も出揃った。国内生産は輸出が好調なマツダ、三菱自動車を除く6社で前年同月比マイナスとなった。エコカー補助金終了の反動などで、国内販売が減少している。一方、海外生産台数は全地域で増加した日産自のほか、スズキ、ダイハツ、富士重が2月として過去最高を更新した。

 トヨタの2月の世界生産は、前年同期比3.1%減の63万5012台となり、6カ月連続で前年同期を下回った。このうち国内生産は同8.5%減の28万3556台。海外生産は同1.8%増の35万1456台だった。国別では米国が同16.6%減の7万0218台と減少した。米ゼネラル・モーターズ(GM)と合弁で運営していた「NUMMI」が昨年3月末で生産を終了したことに加え、モデル末期の「カムリ」の生産台数が減少している。中国は同14.0%減の4万8474台。小型車への優遇税制が終了した影響で4カ月ぶりに減少した。輸出は8.1%増の16万2347台だった。

 日産自の2月の世界生産は、前年同期比21.7%増の35万0093台となり、17カ月連続のプラスとなった。国内生産は同3.8%減だったが、海外生産が同34.6%増の25万6661台と大幅に伸びた。中国では同28.3%増の6万8228台となり、2月として過去最高の台数を更新した。輸出は7.8%増の5万4215台だった。

 ホンダの2月の世界生産は、前年同期比1.9%減の27万9345台となり、15カ月ぶりに前年同期を下回った。海外生産は同3.8%増の20万8999台だったが、国内生産は同15.6%減の7万0346台と減少した。地域別ではアジアが2月として過去最高を更新。輸出は47.6%増の2万8753台だった。 

 スズキの2月の世界生産は、前年同期比1.8%増の24万4986台だった。16カ月連続で前年を上回り、2月として過去最高の台数。国内生産は同10.4%減の8万3729台となったが、海外生産が9.6%増加した。インドの生産は同17%増の11万4000台。輸出は5.2%減の2万1262台だった。

 富士重の2月の世界生産は、前年同期比2.9%増の5万5343台だった。国内生産は同2.1%減の4万0729台だったが、海外生産は20.4%増の1万4614台となった。輸出は8.2%増の3万0796台。ロシア、ドイツ、中国向けなどが好調で2月として過去最高だった。

 マツダの2月の世界生産は、前年同期比3.0%増の10万3147台。国内生産は同1.0%増の7万0428台、輸出は同16.6%増の6万2854台。

 三菱自の2月の世界生産は、前年同期比10.4%増の10万5781台だった。国内生産は同12.7%増の6万1582台、輸出は56.9%増の4万5574台だった。スポーツ多目的車(SUV)の「RVR」の販売が世界で好調に推移している。

 ダイハツの2月の世界生産は、前年同期比3.1%増の8万5812台となった。海外生産はインドネシアがけん引し、同25.0%増の2万9096台。一方、国内生産は同5.4%減の5万6716台となった。一方、輸出は68.2%減の1900台で2月として過去最低だった。 

(ロイターニュース 杉山健太郎;編集 田中志保)