ページ

2011/03/30

東電3日連続ストップ安 終値466円  損害賠償額は最悪で10兆円に上る可能性

東電株3日連続ストップ安 終値466円、48年ぶり低水準
2011/3/30 15:32






 東京電力株は30日、大幅に6日続落。大引けは制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前日比100円(17.7%)安の466円で、同水準での指し値売りと成り行き売りを併せ、800万株近くの注文を残した。ストップ安は3日連続。株式分割などを考慮しない単純比較では、1962年11月15日以来48年4カ月ぶりの水準に落ち込んだ。

 売買代金は783億円で、東証1部首位だった。売買高は1億6015万株で、東証1部で2位だった。福島第1原発の事故について、放射性物質を含む汚染水の除去が難航。巨額の賠償負担をにらんだ国有化案の報道や株主責任を巡る思惑もくすぶり、売りが膨らんだ。後場には「清水正孝社長が高血圧で入院した」と伝わり、危機対応時のトップ不在を懸念した売りも広がった。

 時価総額は7488億円に落ち込み、東証1部の時価総額ランキングでは前日の66位から87位に後退した。震災前には時価総額が3兆4000億円台で推移していたため、半月で約2兆7000億円の価値が減少したことになる。〔日経QUICKニュース〕






東電株3日連続ストップ安 時価総額8割近く減少
 30日の東京株式市場で、東京電力の株価は続落し、値幅制限の下限(ストップ安)となる前日比100円安の466円で取引を終えた。ストップ安は3日連続。東電によると、終値で比較した場合、1962年11月の463円以来の安値。震災前の10日終値の2153円に比べ2割程度まで値下がりした。

 10日時点で3兆4599億円だった時価総額は7488億円にまで減少した。東電の上場来最安値は1951年12月の393円。

 原発事故の長期化などを嫌気し、投資家の投げ売りが続いている。午前中は取引開始から約30分後に値を付けたが、終始売り圧力に押された。午後は売買が成立せず、取引終了時点で比例配分された。

2011/03/30 16:43 【共同通信】





東電株は3日連続ストップ安、原発や国有化懸念-賠償10兆円とも(1)
 3月30日(ブルームバーグ):東京電力株は3日連続のストップ安(値幅制限いっぱいの下げ)。東日本大震災で被害を受けて放射能漏れを起こした福島第一原子力発電所は、事態収拾の長期化観測が広がっている。前日に高まった国有化懸念も根強く、売りが止まらない。

 株価は売り気配で開始し、前日比12%安の496円で売買が成立した。その後6.7%安の528円まで下げ幅を縮小する場面もあったが、午前半ばからは再度売りが膨らみ、ストップ安売り気配で推移した。取引終了時に100円(18%)安の466円で配分終了。東電広報部の大村直弘氏によると、これは1962年11月15日の終値463円以来の低水準。

 福島第一原発の1号機では、タービン建屋地下にたまっている高濃度放射性物質を含む水の排出作業が進んでいたが、29日の午前7時から中止していることが30日分かった。水を貯めていた復水貯蔵タンクがいっぱいになったためという。

 高木証券の勇崎聡マーケット情報部長は、国有化への警戒感が依然根強いことが株価下落の要因と指摘。万が一国有化となった場合、方法によっては既存株主の地位が守られるケースも出てくる可能性はあるものの、具体的手法を「見極めないことには積極的に買っていこうという動きは出てこない」と話す。

 国有化の議論は、原発事故により東電が支払うべき賠償金が巨額になるとの見方から、日増しに高まっている。賠償金を東電が払いきれるかは、事態が「長期化すればするほど不透明になる」と勇崎氏は指摘。バンクオブアメリカ・メリルリンチの29日付の投資家向けリポートによると、東電の損害賠償額は最悪の場合約10兆円に上る可能性があるという。

 このほか、東電は30日、清水正孝社長が29日夜に体調を崩し入院したと発表した。高血圧とめまいが原因といい、体調が回復次第、陣頭指揮に復帰する予定。一方、米原子力規制委員会(NRC)のボーチャード運営総局長は29日、福島第一原発の状況は「引き続き一段と安定化している」との認識を示した。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 山口祐輝  Yuki Yamaguchi yyamaguchi10@bloomberg.net

更新日時: 2011/03/30 16:38 JST