東京地検立川支部は3日、取引先の内部情報を基にインサイダー取引をしたとして、証券取引法(現金融商品取引法)違反の疑いで、電機部品メーカー「春日電機」(旧本社・東京都三鷹市)元社長篠原猛容疑者(53)を逮捕した。
逮捕容疑は2006年7月、取引先だったソフトウエア開発会社「オックスホールディングス」の子会社が株の評価損や売却損を計上するとの情報を入手、公表前の同年8月10日と15日、信用取引でオックス社株計1538株を計約3232万円で売り付けた疑い。
捜査関係者によると、オックス社は、篠原容疑者がかつて経営していた会社で、公表後に株を買い戻し利益を得ようとしたという。
篠原容疑者は、自らが実質的に経営する別の精密機器会社へ無担保融資を行い春日電機に損害を与えたとして、逮捕、起訴されている。
2011/03/03 22:00 【共同通信】
春日電機元社長をインサイダー容疑で逮捕 東京地検
2011/3/4 1:55
東証2部に上場していた制御機器メーカー「春日電機」(旧本社、東京都三鷹市)の元社長、篠原猛被告(53)=特別背任罪で起訴=が、社長を務めていたソフトウエア開発会社の連結子会社の業績悪化を公表前に知りながら、株取引をしていた疑いが強まり、東京地検立川支部は3日、証券取引法(現・金融商品取引法)違反(インサイダー取引)容疑で篠原元社長を逮捕した。1千万円近い利益を得ていたという。
逮捕容疑などによると、篠原元社長は2006年7月下旬、「オックスホールディングス」(大証ヘラクレス上場廃止)の連結子会社の同年8月期決算に、株式売却損の計上が確実になったという内部情報を入手。オックス社の同年9月期決算にも業績予想の下方修正が予想されることから、公表前の8月10日と15日、オックス株約1500株を、計約3200万円で売り付けた疑いがある。篠原元社長は取引当時、既に社長を退任していた。
昨年12月、証券取引等監視委員会は篠原元社長の自宅など関係先を強制調査していた。
篠原元社長は、春日電機の資金5億5千万円を不正融資し、同社に損害を与えたとして逮捕・起訴されている。