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2011/03/13

原子力安全・保安院、 福島第一原発の「炉心溶融」は「レベル4」





原発「炉心溶融」はレベル4
3月13日 3時56分
福島第一原子力発電所1号機で国内で初めて、原子炉内の核燃料が溶ける「炉心溶融」が起きたことについて、経済産業省の原子力安全・保安院は事態の深刻さを示す国際的な基準に照らして評価をした結果、12年前に、茨城県東海村で起きたJCO臨界事故と同じ「レベル4」にあたると判断しました。

原子力施設で起きた事故については、原子力安全・保安院が国際的な評価基準のINES=国際原子力・放射線事象評価尺度に基づいて事態の深刻さをレベル0から7までの8段階で評価することになっています。

12日、東京電力・福島第一原発の1号機で燃料のウランの核分裂でできるセシウムやヨウ素といった放射性物質が検出され、核燃料が高温となって溶け出す「炉心溶融」が国内で初めて起きたことについて原子力安全・保安院は、8段階のうち▽燃料の損傷や▽放射性物質の相当量の放出があった場合に相当する「レベル4」と判断しました。

この評価は、12年前に、茨城県東海村で起きたJCOウラン加工施設での臨界事故と同じレベルで、原子力安全・保安院は「地震が原因だとは言え、結果的に、燃料が溶け出すことになり、高いレベルの憂慮すべき事故だと考えている」と話しています。







福島第一原発事故、深刻度「レベル4」以上か
 東京電力福島第一原子力発電所1号機で起きた爆発事故は、原子炉格納容器内の圧力が異常上昇し、危険回避のための作業をしている最中に起きた。

 1号機は、炉心が溶融している可能性も指摘されており、かなりの重大な異変が建屋の中で起きていたとみられる。

 原発事故は、国際原子力機関(IAEA)が決めた8段階の国際原子力事象評価尺度(INES)で深刻さが示される。

 炉心溶融を起こし国境を越えて放射性物質を放出し、史上最悪の原子力事故になった旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)はレベル7。同様に、制御困難になって炉心溶融を起こした米スリーマイル島原発事故(1979年)はレベル5。両者の評価の差は放射能汚染の規模にある。

 日本で最悪の原子力事故は、JCO臨界事故(1999年)だ。所外に中性子線が漏れ、周辺住民が避難する事態に発展したが、大きな被害を受けたのが所内の作業員3人だったため、レベル4の評価となった。

 経済産業省原子力安全・保安院は12日夜の記者会見で今回の事故について「暫定的にはレベル4」との見方を示した。事故と異常事象を区別するのは、原子力施設に設けられた多重の封じ込め機能が破られたか否か。今回の事故で、建屋の爆発と燃料損傷が重なったとすれば、多重封じ込めは完全に破られたことになり、レベル4以上の事故と判断される可能性もある。

(2011年3月13日01時51分 読売新聞)