3月27日 13時23分
福島第一原子力発電所の放水口の近くで26日、採取された海水から、国の基準の1850.5倍の放射性のヨウ素131が検出されました。この地点では、ヨウ素131の濃度が2日続けて国の基準の1000倍を超えていますが、経済産業省の原子力安全・保安院は「原発から半径20キロの範囲は避難指示が出されているので、周辺の住民に直ちに影響があるとは考えておらず、海水で拡散するので、ある程度低減すると考えられる」としています。
福島第一原発の1号機から4号機の水を流す「放水口」の南330メートルの地点で、26日午後2時半に採取された海水を調べたところ、同じくヨウ素131が1cc当たり74ベクレルと、法律で定められた基準値の1850.5倍の濃度で検出されました。
そのほかにもセシウム134が基準の196.7倍の濃度で検出されました。25日午前8時半に同じ地点で採取された海水では、ヨウ素131が国の基準の1250.8倍、セシウム134は基準の117.3倍の濃度で、これに比べて値はいずれも高くなりました。
経済産業省の原子力安全・保安院は、原子炉から漏れ出た放射性物質を含む水が、継続的に流れ出ている可能性があるとみて漏えいルートを調べています。そのうえで「半径20キロの範囲は避難指示が出されているので、周辺の住民に直ちに影響があるとは考えていない。文部科学省が30キロ沖で行っている調査をみても、海水で拡散されてある程度低減すると考えられる」としています。
第1原発放水口付近の海水、ヨウ素濃度最高の1850倍に 東電
2011/3/27 12:38
東京電力は27日、福島第1原子力発電所の放水口付近の海域で検出された放射性物質の濃度が大幅に上昇していることを明らかにした。26日午後2時半に放水口から南側330メートルの海水を採取し測定したところ、ヨウ素131の濃度は国が定めた濃度限度の1850.5倍だった。21日に海水中の放射性物質の調査を始めて以降、最も高い値となる。
25日午前の同一地点で採取した海水の濃度は約1250倍だった。26日午前8時20分の測定では750倍にいったん濃度が低下したが、同日午後に再び上昇している。東電は「放射性物質を含む水が同原発から流れ込んだ」とみている。
■ 近くの海水から1850倍の放射性物質
26日の午後、福島第一原発の放水口近くで採取された海水からは法律が定める濃度限度の1850倍の放射性物質が検出されました。25日は同じ場所で1250倍の放射性物質が検出されていることから、高い濃度の放射性物質が漏れ続けているおそれがあります。
原子炉などの冷却作業では、塩分の悪影響が心配される海水ではなく、徐々に淡水を注入するようになりましたが、まだ、深刻な事態は変わっていません。(27日17:07)
第1原発30キロ沖では限度以下 放射性物質の海域調査
文部科学省は27日、東京電力福島第1原発から約30キロ沖の海域で26日に採取した海水では、原発から排水する際の濃度限度を超える放射性物質は検出されなかったと発表した。
南北約70キロにわたる4カ所を調べたところ、水1リットル当たりの放射性物質は、ヨウ素が最大18・1ベクレル、セシウムが最大16・4ベクレルだった。法令では、ヨウ素の濃度限度は水1リットル当たり40ベクレル、セシウムは90ベクレル。
原発周辺の海水をめぐっては、経済産業省原子力安全・保安院が27日、原発の放水口付近で26日に採取した海水から、濃度限度の約1850倍の放射性ヨウ素が検出されたと明らかにした。
2011/03/27 19:53 【共同通信】