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2011/03/17

すれ違う政府と東電。 みのもんた「現場で防護服を着て命がけでがんばっている人と東京におる人との差がありすぎ」

政府と東電すれ違い、作業員退避巡り押し問答



 東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の事故を巡り、政府と東京電力にずれが生じている。

 政府と東電による「福島原子力発電所事故対策統合本部」は、菅首相が本部長だが、首相官邸ではなく、東京・内幸町の東電本店に設置され、海江田経済産業相や細野豪志首相補佐官が常駐することになっている。政府は海江田氏らを「東電に対する事実上の『お目付け役』だ」と位置づけており、不信感の根強さが透けて見える。

 14日に起きた2号機の燃料棒露出を受けた対応でも、両者はすれ違った。

 14日夜、東電の清水正孝社長と枝野官房長官、海江田氏が電話で連絡を取り合った。政府側は「燃料棒露出を受け、東電側が作業員全員の撤退を申し出てきた」としている。これに対し、東電関係者は「一時退避はあっても、撤退ということはありえない」と反論する。

 政府側は、作業員が全員退避すれば原発の制御は不可能になると受け止め、「事態を沈静化させることは可能だ」として引き続き作業にあたるよう求めたという。清水社長は15日午前4時過ぎという異例の時間に首相官邸に駆けつけ、首相と対応を話し合った。この点についても、東電関係者は「首相に呼ばれた」とするなど、主張は大きく食い違ったままだ。

 社長が引き揚げた約1時間後、今度は首相が東電本店を急きょ訪問した。「撤退などあり得ない。覚悟を決めて下さい。撤退した時は東電は100%潰れる」と部屋の外にまで響き渡る声で幹部に迫った

 首相と16日、首相官邸で会談した笹森清内閣特別顧問によると、首相は「福島原発が最悪の事態になった時には東日本がつぶれることも想定しなくてはならないが、(東電は)危機感が非常に薄い。自分は原子力には詳しいので乗り込んだ」と語ったという。一方で、自民党の石破政調会長が「日本の最高指揮官が現場に行って実情を知悉(ちしつ)しないまま発言するのは差し控えるべきだ」と指摘するなど、首相の過剰反応だという見方も出ている

 首相の訪問直後の15日午前6時過ぎには、2号機で大きな爆発が発生した。現場の判断で原発内で作業していた東電社員や関係企業の約800人のうち約750人の退避が決まったが、約50人は注水作業などのためにとどまった。

 「東電はじめ関係者は、原子炉への注水に危険を顧みず、全力で取り組んでいる」

 首相官邸に戻った首相は一転、東電の対応を評価するメッセージを発表した。

 不信感から生まれた対策本部だが、16日には本部に集約した情報を基に自衛隊ヘリによる注水方針が迅速に決まるなど、プラスの側面もあった。政府は今後も、事故が深刻化した場合に作業員を含む国民の安全をどう確保するのか、高度な判断を迫られることになる。

(2011年3月17日06時59分 読売新聞)






イラ菅が怒鳴った東電社内の「危機感のなさ」「情報提供のお粗末」
2011/3/17 12:54
菅首相がきのう(2011年3月16日)夜、笹森清・内閣特別顧問と会談した際、福島第一原発の事故について、東京電力の危機感のなさに不快感を示したという。笹森が明らかにした。

首相は「本当に最悪の事態になったときには、東日本がつぶれるというようなことも想定しなければならない」と危機感を募らせ、「(東電には)そういう危機感が非常に薄い」と語ったという。さらに、「私は原子力問題には詳しいので余計に危機感を持っている」と語り、東電に乗り込んだのも「事業者としての危機感が薄いから」だった。

菅は15日早朝、東電に乗り込んで、政府と東電で統合対策本部を立ち上げたが、東電の情報の出し方が遅いと強い不満をぶつけたと伝えられた。 それ以降は東電の発表内容がかなり変わったことは確かで、久々に顔を出した「イラ菅」が効果を発揮したらしい。

事故現場と東京で認識格差
司会のみのもんた「菅さんは乗り込んでいったのはよかったが、怒っちゃった」


金井辰樹(東京新聞政治部記者)「ショッキングな発言に聞こえるが、少なくとも菅さんは、本気で東日本がつぶれる可能性があると思って言っているわけではない。東電はもっと危機感を持てというのがひとつ。もうひとつはあくまで笹森さんの口から伝えられたことだということ。おそらく菅さんも釈明するのではないか」

笹森は菅と近い人で、本音が出たのだろうが、それを記者団にしゃべったの は想定外だったか。

北川正恭(元三重県知事)「笹森さんは東電出身だから、内々でそういう思惑があったと思う」

みのが「金井さんは菅総理にいちばん近い人だから」と冷やかす。
スポーツ紙には「東電ドタバタ」と書いたところもある。きのうの会見では、3号機の白煙の原因をめぐって、枝野官房長官の発言との食い違いがあったり、ヘリによる注水を「検討中」なんて発表している脇でヘリが飛び立つ映像が流れて、広報担当者が「アッ」と驚くなんて失態が続いている。

みのが新聞の見出しの「人手不足」を指して、「人材不足じゃないの」「現場で防護服を着て命がけでがんばっている人と東京におる人との差がありすぎ」

情報が広報担当者に迅速かつ正確に届いていないということ。






菅首相「最悪なら東日本が潰れる」危機感あらわ
 東日本大震災の影響による東京電力の福島第1原発事故で、16日早朝、使用済み核燃料貯蔵プールがある4号機で火災が発生。東電は燃料の「再臨界」防止のため、ホウ酸散布の検討を始めた。一方、使用済み3号機付近でも朝、同機の燃料プールからの蒸気とみられる白煙が上がった。また、菅直人首相(64)はこの日、「最悪なら東日本が潰れる」と、危機感をあらわにした。

 イラ菅のイライラは、ついに沸点に達した。菅首相は16日夜、官邸で笹森清内閣特別顧問(70)と会談した席で「本当に最悪の事態になった時には、東日本が潰れるというようなことも想定しなければならない」と、危機意識を募らせ「(東電には)そういう危機感が非常に薄い」と東電の対応に強い不快感を示した。

 約15分間の会談を終えた笹森氏によると、菅首相は「私は原子力問題に詳しいので、余計に危機感を持って取り組んでいる」と専門的知識を自負。その上で「東電は事業者としての危機感が薄いから(15日早朝に本店まで)乗り込んでいった。もっと危機感を持ってくれないといけない」などとまくしたてたという。

 気心の知れた笹森氏に対して思いの丈をぶちまけた背景には、ここ数日間の経緯がある。地震発生当日の11日の会見では東電への強い信頼感を語っていた菅首相だが、12日に発生した福島第1原発での事故は想定を大きく超える範囲まで発展。後手後手に回る東電の対応に不信感を抱き、14日午後には、秘密裏に幹部を官邸に呼び付け「どうしてちゃんと報告を上げないんだ」「きちんとしたシミュレーションを出せ」と怒声を浴びせた

 さらに同日夜、原発周辺の放射線量の上昇を懸念した東電が作業員の撤収を検討しているとの情報が官邸に入ると、首相は再び激怒。翌15日早朝に東京・内幸町の東電本店に乗り込んで「一体どうなっているんだ!(事故の対応をするのは)あなたたちしかいないでしょう。覚悟を決めて下さい。撤退した時には、東電は100%潰れる」と幹部に詰め寄った。積もりに積もった怒りと危機感が「東日本が潰れる」という厳しい言葉につながったものとみられる。

2011年3月17日06時02分 スポーツ報知