2011.3.19 12:35
東京電力福島第1原発の事故で、ハイパーレスキュー隊など東京消防庁の緊急消防援助隊が19日午後1時半をめどに、冷却機能を失った第1原発3号機に向け、特殊消防車を使って放水を行う。同日午前0時半の放水に続いて2回目。放水作業は給水などにかかる時間も合わせ、連続7時間を予定している。
東京消防庁は19日、1度目の放水に当たった消防隊員約50人について、作業後に原発付近の拠点で放射線量を検査の結果、「健康被害はなかった」と発表した。検出された放射線量の数値などは明らかにしていない。
この放水では計約60トンの海水が放出されたが、周辺の放射線量の数値や3号機内の燃料プールの水位が上昇したか確認できていないとして「現時点では、どの程度放水の効果があったか分からない」としている。
19日午前には、計14隊102人が追加交代要員として東京から現場に派遣され、現地の部隊と交代して放水作業にあたる。2回目の放水は当初、19日正午から実施する予定だったが、東電の電気復旧作業を優先させるため開始時間を同日午後1時半に延期した。東電の作業の進捗(しんちょく)状況によっては、放水開始がずれ込む可能性もあるという。
1回目の放水では、隊員が車外に出る必要のない「延長車」で水を中継する当初の予定も、防護服を着た隊員が手作業で伸ばしたホースで中継する手法に変更された。強い放射線のため、長時間現場にとどまれず、隊員を交代しての作業が続いたという。
未明の放水後は、機材を現場に残し、隊員らは放射線の影響が少ない拠点にいったん退避。19日午前から、再度の放水に向けた準備に入った。