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2011/03/16

米軍、総力支援 米揚陸艦「エセックス」が17日夕にも到着。 第七艦隊の指揮統制艦「ブルーリッジ」や揚陸艦「ジャーマンタウン」も日本へ

米軍、消防車2台提供=放射能対策に精通、総力支援 



【ワシントン時事】東日本大震災では、米国防総省は米軍の総力を挙げて救難活動を展開している。福島第1原子力発電所事故では、日本側の要請を受け、15日(日本時間)に横田基地と横須賀基地所属の消防車計2台を東京電力に提供した。

 放射能漏れの事態悪化に対しては、放射能汚染対策に通じた米軍のNBC(核・生物・化学)テロ対策部隊などの支援が重要な役割を果たすと期待されている。外務省を通じて要請を受けた在日米軍は建物を冷やす強力な放水力を持つポンプ車を東京電力に引き渡した。

 米軍は核兵器を保有し、原子力空母を保有しているため、核に関係する不測の事態への装備は自衛隊を格段に上回る。震災支援では、在日米軍は「トモダチ作戦」と名付け活動。国務省の前日本部長の問題発言などで揺らいだ日米関係だが、支援活動は日米の関係修復とともに、同盟の真価が試されることになる。

 オバマ大統領は米東部時間14日、ワシントン近郊での演説で、「困難な日々が待ち受ける日本の人々を支える」と述べ、支援に全力を挙げることを改めて強調した。
 米海軍は現在、空母「ロナルド・レーガン」など8隻を宮城県沖などに投入。今後さらに6隻を派遣する。揚陸艦「トーテュガ」は北海道経由で陸上自衛隊300人と車両90台を青森県に輸送する。

 ただ、支援活動をめぐっては、空母艦載ヘリ搭乗員から低放射能が検知されたため、空母は福島原発の風下から退避。被ばく対策に細心の注意を払いながらの困難な任務を強いられている。国防総省のモレル報道官は14日、「空母は支援活動を再開した」と述べた。(2011/03/15-22:50)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011031501060








米艦艇、被災地支援で初の陸自部隊輸送 北海道から青森へ
2011/3/16 0:00
 東日本巨大地震の被災地支援で、在日米軍の強襲揚陸艦が陸上自衛隊北部方面隊の隊員と車両を16日にも北海道から青森に向けて輸送する。米軍の艦艇が訓練を除き、日本国内で自衛隊員を輸送するのは初めて。

 一方、米軍は物資の輸送拠点として山形空港を利用する。被災地支援に当たっている米側の要望を受け、政府が15日、山形県の吉村美栄子知事から了承を得た。米軍が訓練や緊急着陸以外で初めて民間空港を使う。

 米軍はがれきの除去に使う重機などを山形空港に集め、作業現場にヘリや陸路で運ぶ。食料品や水といった物資の輸送拠点にもする。米揚陸艦「エセックス」でマレーシアから宮城県沖に向かっている在沖縄海兵隊が被災した仙台空港の復旧作業に当たる。エセックスは17日夕にも到着する。

 エセックスだけでなく、米海軍第7艦隊旗艦の指揮統制艦「ブルーリッジ」や揚陸艦「ジャーマンタウン」なども日本への移動を始めた。米海軍は現在8隻の態勢を13隻態勢に増強する。

 原発対応でも日米が協力し、福島第1原発へは在日米軍が横田基地からポンプ車を輸送。陸自大宮駐屯地から派遣した中央特殊武器防護隊の隊員は福島第1、第2原発に冷却用ポンプ燃料や防護服を運んだ。

 戦後の自衛隊創設後、初の予備自衛官と即応予備自衛官の招集については15日夕時点で、全体の2割弱にあたる約7千人が名乗りを上げた。北沢俊美防衛相は同日夜、防衛省内で記者団に「両自衛官の投入も一両日中に命令を発する。閣議決定が必要で準備している」と語った。