2011.03.17 Thu posted at: 09:52 JST
ワシントン(CNN) 米政府は16日午後、福島原子力発電所の50マイル(約80キロ)圏内にいる米国民に対し、避難を勧告した。
日本政府は福島第一原発から半径20キロ圏内を避難、30キロ圏内を屋内退避の対象としている。米国もこれまでは自国民に対して同じ指示を出していたが、11日の地震発生以来初めて日本政府と異なる判断を示した。
これについてジェイ・カーニー米大統領報道官はワシントンで記者団に対し、「日本政府が同国の情報をもとに出している勧告は、同じ事態が米国で起きた場合にわれわれが出すであろう勧告とは異なる」「どの圏内まで避難させるかについての基準が日本とわが国とでは違う」と説明した。
米国務省のマーク・トナー報道官も、米国は日本の当局を信頼しているとしながらも、米国の専門家の見解に基づいて新たな情報を出すことにしたと説明。「日本の当局が国民に説明していることについて、一切の判断をさしはさむものではない」としたうえで、「もしわが国で同様の事態が起きた場合、国民に出すであろう勧告を根拠とした。その推定と判断に基づき、やむを得ず日本にいる米国民に対して勧告を出した」としている。
米国防総省報道官によれば、米軍はこれより数日前に、事故が起きた原発から50マイル圏外に兵士らを退避させている。国務省はその理由について説明していないが、日本時間の17日早朝までは、米国民に新たな勧告を出す必要性を感じなかったと述べた。
ジョン・ルース駐日米大使も直前まで、米国と日本の判断は完全に一致していると述べていた。